再会と再開
目を覚ますルークはついに動いた。
ティルの為に今度こそ。
これでこの世界に来たのは2回目だ。
今回は記憶がちゃんと残ってる。
そして僕が前にいた「現実世界」でのこともしっかり思い出した。
ただ、どうやってこの世界に行けたのかがはっきりと分からずにいた。
この世界の僕は復讐屋との勝負に敗れ気を失った後生き埋めにされたという。
その埋められた場所と言うのが初めてティルに出会ったあの浜辺。
状況を整理すると僕は死んだと思われていて、結局生きていた。つまり復讐屋はまだ僕がここに居ることをまだ知らないはず。
これはある意味チャンスだと感じた。
奴を殺すチャンスだと。
奴は盗賊に依頼されたと言った。つまり盗賊から聞き出せば居場所ははっきりするだろう。
僕はティルと王宮へ戻り一晩留守にすると言い、短剣に応急薬らしき「ポーション」を持ち身を隠すための黒いローブを巻き盗賊のもとへ向かった。
道中遭遇した獣を狩り、血を採取しバックにしまった。
それから間もなく盗賊の拠点らしき建物があると町人から聞き出し颯爽と駆けていった。
行き着いたのはアスタリシアからほんの30分程歩いた場所でそこはとてもボロボロで人が住んでるとは思えない程の汚さだった。
なんとも言えない生臭さが鼻を襲い僕は即その場を離れた。
とりあえず茂みに隠れ様子を見ることにした。
そして1人拠点に戻てっきた。
息を殺し目を凝らすとそこには奴がいた。
「これでリストにある依頼は最後か。」
復讐屋だ。
僕の予想は的中した。
まさか本人にここで会えるとは思ってもみなかった。
奴にやられた時の恐怖が僕の体を硬直させ、体が言う事をきかなかった。
少し様子を見よう。
「最後はお前を殺して終わりだ!いい加減出てこい!!」
僕は驚いた。
まさかバレたのか?と次の瞬間盗賊の頭と思われる大男が出てきた。
まだ僕のことは気づいていないみたいだ。
僕はそっと復讐屋の後ろに回った。
短剣を握り歯を食いしばり、胸に手を当て自分自身に囁いた。
「負けない、殺してやるんだ....」
復讐屋を前に足がすくんでいるルーク。
彼は復讐屋を殺すことが出来るのか!?