【番外編】悪
ある日の夜中テツはすごい汗をかいて動きまくっていた。
「おおお」
「ゔぅぅ」
「あああ」
テツはうめき声が響き渡ると同時に飛び上がるように目を覚ました。
『なんだったんだ。あの夢は』
テツの汗は尋常ではなかった。
余程の悪夢だったのだろう。
「あんなことはないはずだ。ない。あり得ない」
「断じてあってはいけない。」
テツはおもむろに水をかぶ飲みする。
それでも汗はとまることはなかった。
「怖いが試さなくては。。ことが大きくなってからでは遅い。」
「でもどうしたらいいんだ。万が一ことごとく成功したら。。。。」
「避けて通ったほうがいいのか。」
「でも知りたい。」
テツは葛藤していた。
最初に触らなきゃ意味がない。
でもどうしたら。
『う…………ん』
『う………ん』
「よし。二人だけにしよう。」
「成功したら成功しただ。あとのことはそれから考えればいい。」
そうしてテツは二日に分けて二人の手に触れた。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「マジか!!」
触れた二人ともテツに惚れてしまったのである。
テツはこの力の恐ろしさを知り。青ざめた。
二日間周りの目はおかしかった。
特にドクの目は尋常じゃないほど怖かったし冷たい目をしていた。
最初は3歳の子とカップルの如く歩いているのを目撃され、次の日は90歳のおばあちゃんと歩いているのを目撃された。
テツの得たこの力、年齢制限はなかった。
その夜テツはまた悪夢を見た。
小さい子達やおばあちゃん達のみに囲まれる夢である。
「やめてくれぇぇ。」
うめき声が部屋を包んでいた。