その頃リンは…
「モモは今頃決勝を戦ってるだろうし、ジャキは男の人たちに連れてかれたしなぁ」
「レーズンさん。モモの応援に戻りましょうか」
「かしこまりました。ですがリンさん?あなたの夢は何なんですか?ジャキ君は自分の夢を叶えようといってしまわれたじゃないですか。何かお力添え出来ることあるかもしれませんよ」
「う〜ん。まぁ書いたことは書いたんだけどね。誰にも言わないでよ。絶対言わないでよ」
「はい。絶対に漏らしたりは致しません」
「メイド長になりたいって書いたの」
「なぜメイド長になりたいんですか?」
「恥ずかしいなぁ。本当に言わないでよ」
「はい。本当にいいません」
「好きな人とずっと一緒にいたいの。それにはその人がいるの屋敷でメイドの子がたくさんいるの」
「はい」
「ただのメイドだったら意味ないじゃない。でも今のメイド長はなんでも出来て私には程遠いんだけどさ」
「はい」
「少しでも女子力あげたいじゃない。魅力ある女性になりたいじゃない。レーズンさんは男の人だからわからないかもしれないけどさ。そういうこと。力になってくれる?」
「私にはリンさんの女心を全部わかってあげられることはできないかもしれません。メイドの長ではありませんが、魅力ある女性なら知ってますよ。紹介してさしあげましょうか?」
「いいの?会いたい!!わたしなんかがすぐ会えるの?」
「大丈夫だと思いますよ。ご案内しますね」
「宜しくお願い致します!!」
リンは相当嬉しかったのだろう。屋敷のメイド長に教えを受けるのが一番早いのはわかってた。でも年が近いということでその好きな人の世話役をしていたし、そんな姿を見せたくなかった。メイドの数も多くいつ世話役でなくなるのだろうという恐怖心は常に抱いていた。
だからこの期に少しでも魅力ある女性になってやる!という輝きの目にリンはなっていた。




