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ウォッタッチドロップ  作者: 都 麗華
夢の町イギー編
30/39

リン達の行方

テツと別れたリンとジャキとモモはというと調査団がいる大都市ヴァニラに向けて行動していた。


見せてもらった地図によると2つぐらい町を越えなければたどり着かないらしい。


一つ目の町につくと呆然としてしまった。

昔は活気があったのだと思うが、そこには今にも倒壊しそうな建物が並び、人の気配がまるで感じられなかった。


閑散とした町の出口にボロボロの服を着たおじいさんが立っていてリン達を見るなり迫ってきた。


「お前さんたち旅のもんかい?悪いことはいわん。この先には進むでない。頭がおかしくなるぞ。引き返しなさい」


「いきなりなんなんですか?私たちこの先のヴァニラって町に用があるんです。ヴァニラに行く道って他にあるますか?」



「ゔっ……ない……」


「じゃあごめんなさい。ここ通っていきますね」


「気をつけていきなさい。何があっても我を忘れてはいけんよ」


リン達は何を言ってるのかさっぱり分からなかったが、この後おじいさんの心配は当たることとなる。


:::::::::


リン達は2つ目の町についた。道中変わったことは何一つ起きなかったことで、おじいさんとの出来事すら忘れるぐらいだった。


町の入り口の看板には《ドリームタウン*イギー》と書かれていた。


「賑やかな町だね。リクシャーも凄かったけどそれ以上かも。なんだかワクワクするなっ」


ジャキの言うように商店が軒を連ねていた。


肉屋、魚屋、鍛冶屋、食事処、呉服店、占いの館etcここにいれば全てが揃うでのではないのかと思うほど賑わっていた。


町の案内役の人なのだろうか?リン達に近寄ってきた。


「あんた達この町じゃ見ない顔だね。初めてかい?」


「そうですけど……」


「それだったらまずはあそこにいかないとダメだな」

案内役が指差した先には【ドリームルーム】と書かれた看板の建物が建っていた。


中に入ると真ん中にカーテンが敷かれていた。

その奥から声が聞こえてきた。

「初めての人かい?ようこそイギーへ。まぁかけたまえ」


「そこに紙があるだろう?そこに各々夢を書いてくれないかい?この町に来たもののしきたりになっているんだ」

「書いたら渡してくれ。書いてる内容は他言無用でお願いする」


各々夢を書き始めた。

モモは夢に、またいつかお店を持ちたい。

そしてテツさんに手掛かりがまた見つかりますようにと書いた。


リンは、力強くメイド長と書いた。


ジャキは、剣術も体術も人に負けない強い男になりたい。みんなを守るだけの強い男になりたい。


それぞれの書いた紙を渡して3人はドリームルームを後にした。


「なるほどな。15号、17号出番だよ。よろしくね」

カーテンの中の人がある指令を出した。


:::::::::::


ドリームルームを出て、しばらく町を探索していると活気のある声が聞こえてきた。

「Ladies and gentlemen。これから本日の一大イベント【イギー料理自慢決定戦】が始まるよ。優勝者には豪華景品が待ってるぞ!まだまだ参加者募集中だよー。我こそはというものはこぞって参加してくれ!待ってるぞ!」


「モモー。豪華景品だって!参加してみたら?」

リンがいつものように軽いタッチでいってきた。


「わたしなんて歯が立ちませんよ」

モモは謙遜していた。


「モモ姉ちゃんの作る料理はおいしいよー。でなよー」

ジャキは後押しした。


「出るだけですからね。優勝なんて出来ませんよ。期待しないで下さいね」


「わかった。わかった」

了承したリンとジャキだがその目は期待の目だった。


大会に応募するとすぐにモモは呼ばれた。

大会が始まるようだ。

いかにもモモの応募を待っていたかのようだった。


:::::::::::


大会はトーナメント戦になっていた。

組み合わせを見る限り三回勝てば優勝できそうだ。


モモはさっそく一回戦の第一試合の出番だった。

モモは対戦相手を見て唖然とした。

見るからにおっちょこちょいで料理が出来なさそうな女の子が対戦相手だった。名前はナタリーというらしい。


「わたしーこんなんだから今までなんにもできなかったけどお嫁さんになるのが夢なんです。だから人前で料理を作って自信つけたくて!お手柔らかにお願いします!」

女の子の目はキラキラしていた。


モモは慣れないセットのキッチンに戸惑っていた。

するとなにあら歓声が聞こえてきた。


見るとナタリーが豪快に料理をしていた。

それを見ていたモモはあることを思いついた。

モモはナタリーのキッチンにいくとどよめきに包まれた。


モモはナタリーが使って捨ててた食材をかき集めていた。


何事もなかったかのように自分のキッチンに戻り、足りない食材を持ってきてあっというまに料理を完成させた。


ナタリーはまだ料理を作っていた。


両者料理を作り終え審査員に料理が配られた。両者ともに見た目は抜群だった。


最初にナタリーの料理から試食が始まった。


「おいしそうだなぁ。負けるなぁ」

とモモが目を閉じ心配していると「バタッ」と音がした。


目を開けてみると審査員が全員口から泡を出し倒れていた。


司会者が恐る恐るナタリーの作った料理を指につけ舐めてみると一瞬で悪寒がし舐めたものをペッと吐き出した。

次にモモの作った料理を食べた瞬間顔が明るくなった。


「審査員が一人も立ち上がれないため私が勝者を発表します!勝者モモ!!」


こうしてモモは二回戦へと進んだ。相手が相手だったので不戦勝といってもいいだろう。


次は二回戦から!

次は料理名も出す予定です^_^


次回もウォッタッチドロップをよろしくお願います^_^


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