悪友
「はぁ。。テツは変わっちまった。」
「どうすれば元のテツに戻るのか。」
そう話すこの漢はドク。
事あるごとにやりあってきたテツにとっては腐れ縁の男。
「昔はほぼ毎日一緒にいて遊んでたのに。」
「好きになるやつも一緒で、朝まで語り明かしたこともあったな。」
「今のあいつと来たらなんだ、誰かれ構わず手をつけやがって何があったんてんだ。」
ドクは煙草をふかしながら、またため息をついていた。
「テツの野郎を変えた原因を暴いてやる」
とドクはテツをつけることを決意し屋敷に向かっていた途中だった。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::
「おーい。カノ。カノー。いないかぁ」
「ドク様ではないですか。どうされたんですか?」
「テツは今どこにいる?」
「テツ様なら今メイドを何人かつれてプライベートビーチにいかれてるおもいますよ?」
「ドク様ー聞いてくれませんか?最近のテツ様は女遊びがますます酷くなる一報なんですよ。なにがあったかご存知ですか?」
「俺もさっぱりわからん」
「だからこそ突き止めてやろうと思って今日屋敷にきたんだ。」
「ドク様、お気をつけください。」
「今のテツ様を昔のテツ様と思わないでくださいね。」
「そうか。。。カノも色々と大変だったんだな。」
「はぁ。これは俺が思っていたよりも重症だな。
どうしたものかとドクは空を見、煙草を吸いながらビーチへと向かっていた。
ドクはこれからとてつもない荒波へと身を投じていくことになることなど知りよしもなかった。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::
「テツ!あいついやがった。」
「なんだってんだあの野郎、両手に華かと思いきや何人に囲まれてやがるんだ。」
遠目からテツの挙動を確認することにした。
「優雅なもんだな。二人で来てた頃が随分昔に思えるぐらいだ。」
「特にあの目。。海を見るというより女の子の品定めをしてるような目だ。」
あんなテツなどドクは見たことがない。段々イライラしてきていた。
『おーーい。おーーいドクじゃねーかよ』
『そんなとこでなにやってんだよ。こっちこいよ』
『やべっ。見つかっちまった』
『よー。テツ久しぶりじゃねーか』
ドクはイライラを隠すのが精一杯。
隠し切れてるかは疑問だが。。
『ドクはどの子がいい?』
『はっ!?』
『あぁ。女の子だよ。こんなにいるからよー』
『好きな子がいたら分けてやろうかと』
『はっ!?』
『はっ!?』
『お前どうしちまったんだよ?』
『なにがだ?』
『そうなこというようなやつじゃなかっただろ』
『なにそんな熱くなってんだよ。ドク』
『俺はなにも変わってないぜ』
『んなわけないだろ。どう見てもこの状況おかしいだろ。』
『おかしくなんかないぜ。俺が声をかけたらついてきただけだぞ』
『なんなら見せてやろうか?』
『あ…あぁ。そ…そんなにいうなら見せてもらおうじゃないか』
あまりの強気なテツ、変わったテツにドクは少しひるんでしまった。
『ねぇ。君。僕と付き合わない?』
『ぎゅっ』
『わたしでよければいいですよ』
『ねぇ。君僕と付き合わない?』
『ぎゅっ』
『見てたかドク』
『ほらなドク、百発百中なんだよ』
『なんかおかしなことでもあるか?』
『……………』
『ドク、なんだよその目は』
『……………』
『テツ、お前自分の顔最近見たか?』
『はっ!?』
『だろうな。自分の顔みたほうがいいぞ』
『お前変わったな、また遊びに来るわ』
『じゃあな、テツ』
ドクはそう言い残しその場を立ち去った。
『やべーな。この力を得て俺知らないうちに変わったんだな』
『この力をドクにばれるのは嫌だな』
『いや、この力を誰にも知られるわけにはいかない』
ドクが来たことにより警戒心を強めることになってしまった一日になった。