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ウォッタッチドロップ  作者: 都 麗華
神秘のバラカ山編
19/39

メッセージ

明くる朝、軽めの朝食

「ねぇねぇ今日は本の所いかなくていい?」ジャキは本に囲まれたあの空間が飽きたと探検にでると言い出す。

「わたしがリハビリも兼ねて手伝うからいってらっしゃい」

とモモが言ってくれたことにジャキは嬉しそうだった。


それなら違う観点で探そうと今回はリン、モモ、テツ、グールが十選探し。

俺とジャキが集落の探検ってことにしようじゃないかとラルが提案し満場一致で決まった。


ジャキは解放された犬のように勢い良く朝食を食べ終え家を飛び出して行った。

「おい、待てよ。一人で飛び出したら危ないぞ。待て。」

パンを加えたままラルは慌てて追いかけに行った。


家に残ったテツ達は二人とは違いゆっくりと朝食を済ませ資料室に向かった。


:::::::::::::::::::::::::::::::::::


岩壁に着いたモモとリンは昨日のジャキ同様岩が動き出すのを見て固まってしまった。


「本は片付いてるみたいね。でも家具だとか、ほら至る所に椅子だとかが転がってるじゃない。埃まみれだしまずは掃除が先決じゃない?」


リンは入るなり女性的観点の感想を言った。


「確かに体にも悪いのぉ。男のみだといいかとも思ったが、さすがにこれはまずいの。」


テツとリンとモモは掃除道具を取りに一度家に戻った。

「よくあんな汚い所で作業できたわね。本当うちの男どもは無神経というかなんとゆうか。私には考えられないわ。」

資料室に戻る道中テツはリンの小言を聞かされた。

まぁまぁと咎めるモモの声を何度聞いたことか。。


資料室に戻りテツ達は本の整理の前に掃除を始めた。

埃は絶え間無く出てきた。

「きゃーー。助けてー。」

モモの悲鳴が聞こえてきた。


埃と共に何の動物の抜け殻か分からないものが出てきてモモは叫んでいた。


遠目でも溜息をついてる様子が見え、本当よくこんな所で作業してたわ。と言ってるんだろうなぁというのが伝わってきた。


時間が経つにつれ、どんどんサンタでも持てないだろうと思うほどの大きい袋が何個も出来上がっていった。


乱雑だった家具も昔使っていただろう場所にしっかり戻され見違えるほどに綺麗になった。

周りを覆っていた金の壁もより一層眩いものになり明るさも倍増、いや倍で済まないほどだった。


「一息つけませんか?」

とモモは掃除道具と一緒に持ってきたポットを出し皆にお茶を出したので休憩することにした。


お茶を飲んでいるとリンが、

「そういえば掃除して気付いたんだけど至る所に時計の形に掘られた穴あったわよね。」

「ほらあそこ。十選の棚のあの下のところ。あそこにもあるし、皆も見なかった?」


テツも気になってはいたがリンも同じことを思っていた。


「あれってテツさんが着けてる時計の形に似てますよね?テツさんの時計特徴あるものだから同じものかなって思っちゃいました。」


モモの素朴な意見に、「確かに何箇所かに凹凸あって変な時計だなぁと思ってたんだ。」とテツが答えた。


「試しに、はめてみたら?物は試しっていうじゃない。」


リンの好奇心旺盛な性格が出た。


まず十選の棚にはめてみた。

「ここに入れてくださいって思うぐらいピッタリサイズだな。」

テツはまさかここまでピッタリとは思わなく驚いた。


だが何も反応はなかった。

よくその穴を見てみると10と小さく刻まれていた。


「ねぇねぇこっちの穴には6って刻まれてるわよ。1番からはめてみたら?」


リンの言う通り1と書かれた穴に時計をはめてみるとカタッという音とともに境目もなかった壁から引き出しのようなものが出てきて、中を覗くと清見の歴史十選その7という本が出てきた。


「こりゃたまげたな。親父の時計にこんなカラクリがあったなんて。順番にはめていこうではないかの。なぁテツよ。」


番号を探すと端から端をいったりきたりしなければいけない所に2.3.4と続いていた。


「なんでこんな歩かなきゃいけないんだよ。そんなけ大事なもんってことなのか。」

テツはぐったりしていた。

2.3.4からは十選のその9.5.1が見つかった。


「若いもんが情けないのぉ。どれワシに貸せ。全てワシが取ってくるから休んどけ。」

グールは少しでも早く父のこと集落のことを知りたいという欲求から疲れを忘れたかと思うぐらい目を生き生きとしていた。


モモはなにやら椅子に座ったまま何かをメモっていた。


「あの人って結構なお年よね??いきなり顔を剥いでイケメンの若い人になったりしないわよね?」

リンも目を見張る勢いで十選を集めていった。

9冊集め終わりもう一度10の穴に時計をはめてみた。


「なにも起こらないな。。。」

「まだ何か仕掛けあるんかな?」


「この突起ってなにかな?他の棚にはなかったわよ?手で押しても何もならないけど丁度9冊分の突起あるのよね。とりあえず置いてみる?」


その1から順番に並べてみるとカタッという反応はあるものの何も変化はなかった。


「ねぇ?1番の穴にその7があったりと何でバラバラになってたんだろ?って思ったのね。あと一冊一冊本の下にカタカナが書いてあるじゃない?何か意図があると思うんだよね。」


モモは自分の書いたどの穴にどの本が入ってたか書いたメモを皆にみせた。


メモの通りに十選を並べる他の9冊と同じように最後のその10が入っていたのと一切れの紙が出てきた。

そこには【息子が見つけることを願う。パト】と書かれていた。


グールは涙を堪えていたが、「グールさん、グールさん。これ読んでください」というモモの言葉に涙が止まらなくなった。


10冊並べた本には、【ソバニイナクテゴメン】と書かれていた。


清見の歴史十選を埋めて少しするとゴゴゴゴという音と同時に十選の棚が動きだし扉が出てきた。


扉をあけると薄暗く椅子に腰掛ける人影がうっすらみえていた。



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