宝石を食べる
かちかちかち、ぱきっ。
スプーンでつついていたカラメルが割れた。
つぷっ。
添えてあった生クリームと一緒にカラメルを掬い取り、ぱくりと口に入れる。
すごく甘い。
ぱきっ、ぽきぽきぽきっ。
まふまふと生クリームを頬張りながら、口の中でカラメルの破片をさらに細かくする。
口の中にささらないよう、慎重に。
ん・・・そろそろいいかな。
生クリームとカラメルが程良く溶けてきた。
クリームが溢れる咥内で、くるりと舌を回す。
飲みこむのが惜しくなるぐらい、甘くておいしい。
でも、まだまだカラメルと生クリームが残ってる。
あぁ、早く次の一口がたべたいなぁ。
こくん、と小さく喉を鳴らして、口の中のものを呑みこむ。
濃厚な甘さが後を引く。
くらくらと、まるでお酒でも飲んだみたいな酩酊感に襲われる。
危険な甘さってやつなのかも。
チラリとそんな考えが頭をよぎって、どこかに消えた。
つぷり、とカラメルを混ぜたクリームにスプーンを刺して持ち上げる。
やわらかな糸を引くそれの中に、はちみつ色の輝きが反射して。
まるで宝石みたいだなぁ、なんて思いながらとろりと口に流し込んだ。