昔々はつい最近
昔々はつい最近
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ウラシマ効果。サイエンスフィクションの世界では、特殊相対性理論による時間の流れの変化をこの言葉で表します。かのアルバート・アインシュタインをもってしてようやくたどり着いたこの考え方は、極東、アジアの片隅でおとぎ話としてすでに存在しました。なんたる偶然の一致、あるいはそのような超常的な何かがあったのだろうか。そんなことを言う者が、たまにいるのですが。
「何言ってんだよ」
その男は、竜宮も乙姫も亀も、何かを例えただけだと言います。そのおとぎ話が成立したのは、さほど昔のことではない。せいぜい1800年代後半、今から百数十年前。昔々と言うには、いささか近い。当時の島国の人たちにとって、竜宮とは何だったのかを考えれば簡単だと言います。
「文明開化だ」
押し寄せるような近代化の波は、一見喜ばしい。しかし気がつけば町を作り替えられ見たことがないような場所になり、理不尽なルールと理不尽な刑罰を押しつけられる。乙姫のような人物は古代中国にも現れた記録があり、「傾国の美女」として伝えらていれるそうです。ならば問題だ、と灰色は語りました。『亀とは?』。海の向こうからやってきて現地の者に嫌がられ、それを助けてしまったが故に竜宮に連れていかれた。亀とは何だ?自分にとって亀とは何か、考えればわかるだろう……アルバート・アインシュタインがそのようなことを考えて一致させると思いますか?そう聞き返すと、そんなわけがないだろうと言います。同じところから考えてどう話をつけるか、根本的に同じことを言いたがっているのなら一致するのが道理。疑問を持つまではいい線行ってたが、惜しかったな。……灰色は、難しい物理学などまったくわからないそうです。




