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暁の流星群 〜いつまでも続く平穏を求めて〜  作者: 時雨
初戦:珊瑚海海戦

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と言っても、別にこのまま補給艦の所まで行くだけだからそこまでキリッとする必要もないんだが


「最近はゆっくり茶を飲む時間も無かったからな。このまま補給艦と合流するまではゴロゴロしていよう」


「あの、艦長。流石にそれは敵と誤認された時危ないのでは…?」


「潜航しても騒音が酷く上手く隠れる事は難しいんだ。遅かれ早かれ敵だと思われたら死ぬと思っていた方がいい」


「ですが、バラストタンクに注水して機関を切ったまま海底でやり過ごせばいいのでは?」


「ソナーが使えない今どうやって海上の確認をするんだ?」


「…それもそうですね……」


「俺と、俺の親友を信じろ」


今は、それだけしか言えない


「…確か、俺が上層部の待ったをフル無視して艦内に持ってきたビーチチェアがあるはずだから、それにでも寝っ転がって日向ぼっこでもしようか?」


「良いですね!日焼けは嫌ですけど…」


「おい美波、俺のことを舐めてるのか?日傘もあるに決まってるだろ。それに、日焼け止め塗ればいいじゃないか」


「なるほど!艦長さすがですね!」


そう言われると嬉しくなってしまう


「ただ1つ問題があってな?」



――――――



「か、艦長。なんですかこれ…」


「…すまん。乗っける場所思い浮かばなくて…」


「というか、なんで格納庫の中に置いてあるんですか…?」


そう、実は俺は仲間に一つだけ、嘘をついていた

格納庫は今は機械類が入っていると、本来の計画通りの報告をしたのだ


「…船体改修後にAIP設置したのは良いものの、結局格納庫は使われなくてな。それをいち早く察知した俺が報告書をいじくって上層部にこの事実を伝えず、本来なら機械系統が詰まってるはずの格納庫に物を収納できるようにしたってわけなんだ」


「なんて無茶苦茶な…」


…これも仲間の精神ケアと安全で快適な航海のためなんだ。許してくれ


「…まぁ細かいことは後にしてビーチチェアを出そうか」


「…っ、結構重たい…艦長よく一人で持てますね」


「それは千夏の筋力が弱いだけだろ」


「ぐぬ…正論…」


…葵と美波は協力して運んでるみたいだな


「俺が2つ持ってくから、葵と美波はそれを持ってきてくれ、千夏は…先に寝てていいぞ」


「何でですか!!私にも手伝わせてくださいよ!」


「そう言われても…じゃあ、千夏は向こうに置いてる机と紅茶たちを持ってきてくれ」

「一番大変じゃないですか!!」


しょうがない。これも俺たちの平和な日向ぼっこの為…許してくれ


「よし、設置できました!」


「…うん。やっぱり潮風に当たりながら寝るのは気持ちがいいね。そういえば、日傘を出さないとだな。ちょっと待っててくれ」


そう言ってビーチチェアを立ち、格納庫を再び開けて大きな日傘を取り出す


これは設置型の大きな日傘で、主に海でゆっくり過ごしたい時に使うようなアレだ


「ほら、これでどうだ?」


「随分と暑さがマシになりました…ありがとうございます。これなら日焼けも防げそうな気がします」


「…日頃艦内に居るんだから、今ぐらい陽に当たった方が…」

「いや、そんな事したら肌が全壊します。やめてください」


「…ごめん」


なんでそんな全力で日焼けを避けるのかがいつまで経ってもよく分からないな…


「…おっ、アレだぞ。あれが俺の親友が艦長として乗っている補給艦あすかだ」


俺が指を指す先に見えるのは第二次世界大戦後に作られた新しい構造の補給艦。なんとソナー等のレーダーに映りにくいらしい


「もう少ししたら向こうの方から無線が飛んでくると思うが…こちらからアピールしてみるか」


そう言って信号拳銃を取り出して構える


「少しだけ、耳を閉じておけ」


…鈍く低い音と共に射出された信号弾

多分、これであいつは無線を飛ばしてくるだらうな


「…艦長ー!無線がー!来てまーす!!」


久しぶりに伸び伸びと出来ているのか、少しハイテンションな海音から無線が飛んできたとの報告を受けた


「…よし、俺は無線を受けに行ってくるから、3人はここでゆっくりしててくれ、くれぐれも落ちるのには気をつけろよ」


「「はい!」」


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