家族が増えました
不義に思う内容が有るかと思いますが詳細は後書きを御覧下さい。
「こんにちは。お久しぶりだけど覚えてるかな?」
父に連れられたお高めのレストランで、綺麗に着飾った女性に会わされました。
その人は私と会ったらしいのですが、全く分かりませんでした。
「髪を下ろしてるからじゃないか?」
「そうかもしれないわね」
父の言葉にその女性は答えた。
「お久しぶりです。保住さん」
どうやら耕にぃは知り合いらしい。
「どちら様?」
私が耕にぃにこっそりと聞こうとすると
「沙織が病院で大泣きする前、話しかけた看護婦さんだよ」
と先に耕にぃに言われた。
「あの時の看護婦さん?!」
驚きながら父と女性を交互に見ると、父は照れながら頭を掻き、女性は少しだけ困った顔をしながらも微笑んだ。
私は「何処で再会したの?」
と意地悪な質問をしたら...
「実はあの時耕助と沙織の様子を確認するのに、僕のポケベルを利用してたんだ」
父の言葉に続き保住さんは
「耕助君が退院するまで病院に着替えを持ってくる時、何回かお食事に誘って頂いて紳士的だなぁって♪」
突然惚気出した。
どちらにしろまだ9歳の私がどうこう言う事では無く、この時も耕にぃが気を利かせ
「僕はずっと世話になりっぱなしですから反対しません」
と再婚話を切り出される前から先に言った。私も一緒に
「台所回りは私に聞いてね」
と言うと父が
「耕助君の間違いだろ?」
なんて事を言いやがった。自分の父ながら
「手の早い人に言われたくない!」
と三回忌が終わったばかりだという意味で言ったのだが...
まさか翌年に純玲が生まれるは...
手が早すぎるよ。
早いといえばこの春卒業して働き出した耕にぃが、ベッドメリーを購入して来たが...
「家にベビーベッド無いやん!」
私が突っ込み入れると父は
「明日買ってこよう」
と楽しそうに笑った。
作品の性質上深堀り出来ない部分をここで補います。
永峯敏雄‥仕事中ひと所に居れず連絡手段として病院にポケベル番号共有
保住玲子‥耕助と沙織の担当、一人暮らしで日頃の不摂生がたたり貧血を起こした所を病院を出た敏雄に見つかり、お礼と子供らがお世話になっているからと強引に飯に誘ったり差し入れしたりする。
再開は2年半程経った頃、敏雄が健康診断で再検査となり赴いた病院に保住がおり、その後の話をするのにお昼の休憩時間を利用すると、またもや簡易な食事で済まそうとする保住に敏雄がお節介をするもその時にはもう保住は日頃の不摂生が祟ったのか限界を迎えており倒れてしまう。
再検査の結果を聞きに行った時にソレを聞いた敏雄は保住に会いに行き「アナタの性格は看護婦に向いてない」と言い喧嘩になったのが功を奏したのか意気投合し互いを心配しあう仲になり...
上記(作中)に繋がります。




