表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の恋は終わらないんだからね!  作者: 石上 三歳
シャ〜ボン玉、飛〜んだ!〘度重なる慟哭〙ダビング ミス・フォーチュン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/24

転勤族になりました

耕にぃは絶対安静の為、本来動いてはいけない状態でした。

幸い再手術等の必要はなく、再び安静にするだけですみました。

私の方はあの後高熱が出て、意識がハッキリしたのは2日後でした。

その為三人(母と御厨夫妻)の葬式には出れませんでした。

実際我が家(私の両親)御厨家(耕にぃの両親)も同じ養護施設出身なので親戚などは無く、弔問客は施設の職員だけだったと後から父に聞きました。


それと...今更だけど事故の原因は居眠り運転で信号無視して突っ込んで来たトラックに気付かず、私達の乗っていた車はトラックの下に潜り込んだそうです。

この時クラクションを鳴らした方が通報し、居眠り運転が原因だと証言して頂いたおかげで(私達の車の)ブレーキ痕が無くても全額相手持ち(正確には運送会社)になりました。

私はこの時そのクラクションが無ければ、事故は防げないまでも回避出来ていたのではと恨みそうになりました。

実際その通報した方が


「私がクラクションを鳴らさなければ...」


と言いかけた時、憎悪にかられましたが耕にぃが


あれ(警笛)が無かったら私はトラックに気付けず、沙織を助ける事も、自分さえ守る事も、出来なかったと思います」


と答えた。その言葉を聞いて、通報してくれた方は泣いていました。

危うく私も善意に悪意で応える所でした。

この時、耕にぃは素晴らしい人だと私は改めて感じました。


そして数日後...






「耕にぃ♪」


私がにこやかに話しかけると


「...ちょっと...一人で食べれるから」


耕にぃは私の「あ〜ん♪」を恥ずかしがった。


「暇だし食べさせてよ」


私がそう言っても耕にぃは嫌がり続ける。


「誰も見てないから、ね?」


「いや父さんメッチャ見て「うっさい」るねんてぇ〜」


「ふふっ」


私と父のやり取りを見て耕にぃが笑った。


「早く元気になって()()()帰ろうね♪」


私の言葉にビクッとした耕にぃは父を見て


「ほんとに良いんですか?」


と申し訳なさそうにした。


「良いに決まってるやん!帰ってからも、耕にぃの世話はウチがやるから!!」


「「いや...逆だから...」」


私のお節介(やる気)二人して(父と耕にぃが)水を差す。


「もぅ!なんでよ〜」


私がむくれると二人して笑った。


こうして耕にぃはお隣のお兄ちゃんから本物(義理)の兄になりました。






父と養子縁組を済ませた耕にぃは退院後即、父の勤め先に引っ越す事になりました。

先に退院していた私は、転校先で既に通学しています。


「一人はツラいよぉ」


二人(父と耕にぃ)の前で歓んでみせているのが半分本当の(耕にぃと暮らせる)事に、私の心は耐えられない(罪悪感なのか悲しい)のか、グチャグチャで自分で自分が分からなくなっていました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ