表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の恋は終わらないんだからね!  作者: 石上 三歳
シャ〜ボン玉、飛〜んだ!〘度重なる慟哭〙ダビング ミス・フォーチュン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/24

遊園地ではなく病院でした

「大丈夫か?!」


目を覚ますとそこに父がいた。


「お父ちゃん?」


まだ父をパパからお父ちゃんと一度も呼んだ事は無かったが、(ママ)をお母ちゃんと呼び始めていたので父をそう呼んだ。


「ここどこぉ?お母ちゃんどこ居るん?」


キョロキョロしながらそう言うと、父は目に涙を溜めて...


「沙織〜!」


私を抱きしめながら、大声で泣き出した。


(痛いよ)そう言うより事故の事を思い出した私は


「耕にぃ!お母ちゃん!御厨夫妻(おっちゃん達)はどこなん?!」


そう言って父を引き剥がそうとすると


(いった)い!?」


首や背中、左腕が痛かった。


「だ、大丈夫...じゃないよな」


父は泣きながら辛そうな顔をした。


「なにか飲むか?ずっと寝てて喉、乾いてないか?」


そう言った父に「オレンジジュース」と言うと


「分かった。そこで大人しく寝てろよ」


父は優しく微笑んでから、部屋を出て行った。


私は父に気付かれないよう病室を出て名札を見る。


永峯(ナガミネ) 沙織(サオリ)


漢字はほとんど読めないが平仮名とカタカナは読めた。


壁伝いに名札を見るが見当たらず、この時【永峯 幸子(母の名前)】が同室(自分の部屋)にも隣にも無い事に怖くなった。


私は近くに居た看護婦さんを捕まえて


「母はどこですか?名前は永峯幸子です。他にも一緒にいた御厨耕助はどこですか?その両親はどこにいますか?」


震える手と声を抑えながら「こちらですよ」と言ってもらえる事を祈りつつ、看護婦さんの顔を見ると...


驚いたあと、目を細め一瞬上を向いた後


「お父さんは?一緒に病室に居たよね?」


と屈んで優しく話しかけてきた。


………私の質問に()()()()!!


「嫌ぁーー−−!!()()どこぉーー−!耕にぃ出てきてよぉーー−−−!!!」


自分では抑えきれない感情に、どうにもならなくて

心臓が爆発しそうになって

父が顔色を青くして駆け寄ってきて


ドサッ


父に抱きしめられながらも、何かが滑り落ちたような音が聞こえて

そっちを見たら名札が目に入ってきた。


御厨(ミクリヤ) 耕助(コウスケ)


「耕にぃーー−−!!」


名札を見た瞬間病室(耕にぃの部屋)に飛び込む!

そこには、床に這いつくばりながらも顔をこちら()に向けた耕にぃが...


「耕にぃ...」


顔をグチャグチャにしながら、私は上半身を起こした耕にぃに抱きついた。


「良かった...」そう呟く耕にぃに私も


「生きてた...生きてたよぉ...」


全身の痛みなんか忘れて、体中の水分がなくなるんじゃないか?と言う位泣いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ