突然の別れ
シートベルトもチャイルドシートもちゃんと付けましょう
「お出かけ〜♪お出かけ〜♪」
小学生になった最初の夏休みに、御厨夫妻の車でその日は遊園地に向かっていた。
「耕にぃ!楽しみやねぇ♪」
最後部座席を折り返し、私と彼はボードゲームで遊んでいた。
この時はまだ運転席と助手席のシートベルトが努力義務から罰則付になったばかりで、後部座席に関してはシートベルトはおろかチャイルドシートすらまだ知られていなかった。
「酔いそうになったらすぐに言うんやで」
彼の父が気を利かせると「大丈夫」と彼が言うので私も
「大丈夫やで〜」と答える。
そんなやり取りをしつつパーキングエリアで休憩し、美味しいご飯を食べた後高速道路を降りて遊園地が見えてくる。
「見えてきたで〜」
母が後ろを振り向き私達に教える。彼の父が遊園地を指差し、彼の母が前を見て運転するよう注意する。
その時交差点で右側に居た車が激しくクラクションを鳴らした。
皆がそちらに気を取られた時、彼だけが気付いた。
「アカン!」
そう言って彼に抱きしめられた瞬間、とんでもない衝撃と共に息が詰まり真っ暗になった。
…………私は意識を失ったのだ…………
…………大切な家族と共に…………
後部座席状況捕捉
最後部起こし四角く平たい所に毛布など敷いて子供を遊ばせてる感じです。
当時は二輪もヘルメットせずかなり緩かったです。




