去年のクリスマス 中編
「何してるの!?」
聞き慣れた筈の、でも聞いた事の無い迸る感情の波に私は振り返る。
恵子は脱ぎ捨てるようにあった、耕にぃの足元にある私の下着を投げつけてきた。
「止めなさいよ!馬鹿!!」
そう言って私の後ろに回り込み、ベッドから引きずり下ろそうとしてくるが
「そっちが止めなさいよ!私は耕にぃと結婚するんだから!!!」
私は恵子の腕を掴んで自分の前に引き寄せ、テレビ横のテーブルを指差す。
「!?コレは...」
恵子はそこに置いてあった婚姻届を見て一瞬固まる。そこに私と耕にぃの名前が書かれてあり、判子が押されているのに気付き大きく目を見開いて凝視した。
「沙織...アナタ...」
婚姻届に釘付けになった恵子に、私は自作自演ではない事を告げる。
「誕生日に耕にぃから貰ったの。来年(沙織)の誕生日に(役所へ)出しに行こうねって」
多分耕にぃの名前が、私の筆跡でない事に気付いたのだろう。私を掴んでいた手から力が抜けていくのを感じ
「分かったなら病室から出てって」「.........」
私が言うと恵子は声をあげずに、崩れるように離れていく。
親友が、ベッドと扉の間に差し掛かった時
「何の騒ぎですか?!」
先程のやり取りが外に漏れ、誰かが告げたのか...
それともナース・ステーションまで聞こえたのか分からないが...
看護婦さんの乱入で、私は耕にぃと結ばれる事は無くなった。
その日、失敗したからではない。
耕にぃの病室が、四人部屋に移されたからだ。
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