心の痛み
長い間忘れていた?事を強烈なフラッシュバックで思い出す。
経験はありませんが...
退院の日、皆わざわざ公共機関で迎えに来てくれた。
「ねぇね〜〜♪」
足元に駆け寄ってきた純玲を抱き上げながら、私は口を開く。
「病気じゃないんだから一人でも帰れたのに...」
私が申し訳なさそうにしていると恵子ママが
「気にしないの!たまには運動しないとね♪」
言った瞬間、恵子が恵子ママのお腹をつまみながら辛辣なことを言う。
「最近外回りの仕事してないからねぇ♪」
「ちょっと恵ちゃん?!」
恵子ママが振り向きコブシを上げた時には
「どこまで逃げてんのよ...」
病室の扉の後ろからこちらを覗いていた。
既に退室の準備が終わっていた私は、皆と一緒に退院手続きをしに病院の1階に向かう。
「なんか今日みんなテンションおかしくない?」
耕にぃの肩がビクッとして恵子が
「そんな事無いんじゃない?」
私の方を見てぎこちなく笑った。赤くなった眼で...
「支払い済ましてくる」
イソイソと支払い窓口に行く耕にぃの背中を見ていると
「純玲ちゃん♪なにか飲むぅ〜?」
そう言って恵子ママが自販機コーナーを指差すと
「飲むぅ〜〜〜♪」
と言いながら自販機コーナーに手を繋いだままで、私を引っ張って行こうとする。
オレンジかグレープで迷う妹に「半分こしよ」と言うと「うん♪」妹は元気に返事を返した。
そんないつものやり取りを見て、恵子ママは優しく微笑んでいた。
支払いを済ませた耕にぃが戻ってきて、恵子ママに
「いつもすみません」
と申し訳なさそうに言うと「良いのよ」恵子ママは目を細めながら答えた。
そんな耕にぃに
「喉乾きません?良かったらどうぞ」
「あっ!はい。頂きます」
恵子が手渡したカフェオレを耕にぃが飲もうとすると
少し傾けた位では出てこず???となった耕にぃは更に傾けて少し飲み、また首を傾げてから飲み干した。
や・ら・れ・た・!
耕にぃは女性慣れしておらず恵子も普段挨拶だけで、今まで耕にぃと日常会話すらした事がなかった。
恵子から手渡されたコーヒーを飲んだ事に違和感を覚える耕にぃを見ながら
私は(嘘でしょおぉぉぉ!!!!!!!!!!)
心の叫びが止まらない!
私のルビの使い方...どうかな?
最後のオチはちょっと気に入ってます♪




