甘ぁ〜くも恥ずかしい1日
◯◯コンプレックスはこの時代辺りから表現として流行りだしたらしいです。
「やっ・き・肉ぅ〜♪やっ・き・肉ぅ〜♪」
ご機嫌な足取りで意気揚々と歩く私...
今でもこの時の事を思い出すと、顔から火が出そうな程恥ずかしくなる。
「あの、やっぱりご馳走になるのは...」
申し訳なさそうにする耕にぃに恵子ママは
「子供が細かい事気にしなくていいのよ」
と言うが耕にぃも続けてお金を出そうとするが
「いや、僕もう働いてまして成人式も2年前に...」
「いいからココはおばさんに任せなさい♪」
皆まで言わせて貰えない。
「年の差なら僕と沙織、僕と鹿島さんのお母さんも同じでおばさんだなんて思えませんよ」
「思えませんだなんて♪お姉さんだとでも言うのかしら?だけど人妻だから口説かないでね♪」
耕にぃの社交辞令に『とんでもない事言い出した』と驚きながら私は
「耕にぃと結婚するのは私だから!!」
本気で言いながら腕にしがみつくと
「すみれもにぃにと結婚する〜♪」
「二人して今流行りのブラコンなのね...」
私と耕にぃに抱っこされた妹が首にまとわりつくのを見て、恵子がドン引きしながら言った。
だが私の本気を見抜いた恵子ママは
「心配しなくても取らないわよ。愛するパパが居るからね♪」
そう言われ思わず恥ずかしくなって俯いた。
それでもまだ子供だった私は焼肉屋さんに入った後、落ち込む事を忘れてお腹いっぱい堪能したのを覚えている。
しかも調子に乗ってデザートまで頼み、店を出て帰宅途中に
「喉乾いたぁ」
妹の一言で自販機のジュースを恵子ママに買って貰う始末...
「なんで自販機前で笑ってる所を撮るかなぁ」
......そう......フィルムを写真屋さんに持っていく時も、写真を選ぶ時も、最後は学校で恵子から受け取って...
写真を見ながら恥ずかしく思いつつも、記憶の残し方を示してくれた恵子ママに感謝した。
当時写真はまだフィルムをカメラに入れて、撮り終えた物を写真屋に持っていくのが常識でした。
フィルムを入れる時ケチ臭い事を考えると...恐ろしい事がw




