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終幕、もし明日が晴れるなら
そうだ全部思い出した。
「全部思いだしたよ」
私は熊君の顔を見て言う。
涙を頬を伝わせながら。
「熊君は、小学生の私を救ってくれた」
二度も私を救ってくれた主人公。
やっと再び巡り合えたんだ。
だから…神様お願い。
この生に意味があるなら。
誰かを助けられる力があるなら。
私に力を。
背中の羽を羽ばたかせた。
「わぁ…飛べた」
私は飛んでいた。
今まで飛べなかった私が。
「すごい、風雨ちゃん」
「ううん、熊君のおかげだよ」
「あなたが勇気をくれたから」
二人は、お互いに抱き合いながら空を駆け、町中を飛んでいく。
「授業は?」
「またずるけよう」
あの時と一緒だとお互い笑いあう。
「そうだ、この後たくさんお話したいな、せっかくこうしてまた出会えたんだもの」
「うん、俺も風雨ちゃんに話したい事たくさんある」
日が暮れて夜になる。
ドーン!。
空に満開の大輪が花火が咲く。
「明日もし晴れたなら」