何故私は天使になったのか その1
残酷な描写や子供に対する虐待描写があるので閲覧注意です。
苦手な方や精神的に弱い人どうしても見たい人は自己責任でお願いします。
この物語はフィクションです。
すべての後景が連続写真のようにフラッシュバックする。
思い出した。
あの時の記憶。
エアコンが動いてない部屋。
部屋が暑すぎて。
汗と血液なのか分からない。
手には包丁。
自分に向けて突き刺す。
それを見た私は小さく微笑んだ。
もう何年も心から笑ったことがない私の心からの安心の笑み。
やっと楽になれる。
でもなんでだろう。
涙があふれてくる。
なんでこんなにも悲しいの。
苦しいよ。
再婚して上手かないのも。
新しいお父さんが冷たいのも。
新しいお父さんがすぐいなくなっちゃうのも。
新しいお父さんがすぐぶつものも。
お母さんがすぐぶつのも。
一人で子育てしなくちゃいけないのも。
お母さんの人生がうまくないのも。
全部全部全部。
あなたのせいで。
あなたなんか生まれなけりゃよかった。
どうして。
どうして愛されなかったんだろう。
どこがいけなかったんだろう。
ちゃんと良い子でいられなかったから。
私がいうことを聞かなかったから。
そんな思いを包丁に乗せてぶつけて。
喉を掻き裁く。
最後には力つきて。
私は床に倒れた。
血まみれの包丁が床に衝突して跳ねる。
もう限界だった、肉体も心も。
お腹が空いた…。
もう何日も食べてないや。
私の隣には。
お父さんがそれぞれ違う弟と妹がいた。
だったもの。
さっきまでいきてたんだ。
数日前から腐った物を食べた中毒死症状が出始めてた。
食べさせたのは私。
殺したのは…。
弟と妹が死んでる理由はひどく簡単、そうひどく。
栄養失調による衰弱死だった。
どうしてこうなる前に助けてあげられなかったんだろう。
全ては遅すぎた、そうすべて。
誰も助けちゃくれなかった。
叫んでも泣いても喚いても。
何度も何度も何度も何度も。
涙を流しても。
神に祈っても。
誰か助けてください。
きっと今もそう思って何人の子供が死んでいるだろう。
ひどくやせ細っていた体。
筋肉が減っていき骨だけになった体。
失血で血を失い過ぎた体は思うように動かない。
もうすぐ死ぬんだ…。
私はもういないこの世に存在しないはずの。
弟と妹を寄り添い。
抱きしめて。
そうして死んでいった。
思えば、悲しい人生だった。
もし次があるなら―。
私は深い海に落ちていく。
私は陸の世界に憧れた人魚姫。
きっと陸の世界に憧れた罰なんだ。
深海に潜ってお城に帰らなきゃ。
つらいだけのあついだけのあの夏が人魚姫みたいに飽に包まれて消えていく。
もしも違う人生をあるなら…。
お腹いっぱいごはんが食べたい。
幸せな家族が欲しい。
優しい両親と兄弟が沢山遊んであげて。
素敵な王子様と出会って結婚して。
沢山の友人と子供に囲まれて。
そして余生を終える。
出来れば凄い高身長でナイスバディで美少女で。
少女漫画みたいな恋をして。
そんな当たり前の願い。
私がヒロインになっちゃうストーリー。
だけど私は生きている。
なぜだか分からないけど学校の図書室にいた。