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地獄の子連れ旅行1日目

3日間で移動するには、なかなかハードな出張に、涼、柊、琉の3人組が子連れで挑みます。

 横浜から帰って、久しぶりに食堂で食事を堪能していた(しゅう)(りゅう)(りょう)の3人組のところへ、名波(ななみ)医師がふらっとやってきた。


「舞子の帝王切開は2週間後にしよう。その1週間前には圭の帝王切開があるので、私はとても忙しい」

3人は顔を見合わせたが、涼は一応、礼儀正しく応対した。

「ありがとうございます。じゃあ、しばらく舞子の練習はなしということですか?」

「いや、筋力トレーニングなどは、いつも通り行う。でも、投げ込みはもうなしだろう」

「はい。舞子はもう知っているのですか?」

「ああ、涼君の2週間、別のミッションに駆り出すと言うことも了解済みだ」

柊や琉もさっきから流れている、いや~な雰囲気を察して、口を挟んだ。

「そのミッションというのは僕たち3人で行うものですか?」

「すいません。横浜から帰ってから、瑠璃(るり)がへそを曲げて、なかなか遠出は出来ないんですが」

「うちの(こずえ)もなかなか寝付かれなくて、保育施設の皆さんにご迷惑をおかけしていて・・・」


その話に名波はにっこり笑って(うなず)いた。


「2人ともこの間の出張に置いて行かれたから、赤ちゃん返りしているよね。だからこそ、今回は妹も連れて行って良いよ。いや、是非連れて行きたまえ。えーと、君たちに頼むミッションは・・」


そう言いながら、行程を確認しているタブレットを、柊がひょいと名波の手から奪い取った。


「拝見!」


1日目 九十九(つくも)カンパニー神奈川支店

    名古屋 六車志野(むぐるましの)宅(六車真悟(しんご)

    ジブリパーク

2日目 道後温泉

    愛媛大学(名波鮎里)

3日目 島根分校

    桔梗学園本校

「一つ一つ質問していいですか?神奈川支店に行くのは、紅羽を迎えに行く蹴斗(しゅうと)と一緒にドローンで行くのですよね?」


いつの間にか彼らのテーブルに着いていた名波は、デザートのモンブランを(すく)いながら、こくこくと(うなず)いた。

「横浜から名古屋までは新幹線ですか?」

名波は大きく頷いた。

「この『六車志野』というのはどなたですか?」

流石に頷く訳にも行かず、名波は口を開いた。


「六車志野ちゃんは、真子(まさこ)学園長の娘さん。名古屋に住んでいて、そこに九十九カンパニーの車があるので回収してきて貰いたいんだ。だから、梢ちゃんと瑠璃ちゃんも一緒に行って、名古屋のジブリパークで遊んでくるといいよ。広い公園だけれど、3歳児2人と1歳児なら、『ジブリの大倉庫』1ヶ所で十分だから、志野ちゃんにちょうど良い時間のチケットを取って貰っておくよ」


琉が不安そうに聞いた。

「3歳児が2人って、言いませんでしたか?」

「ついでに志野の息子、真悟も連れて行ってあげて。夜は志野ちゃんのうちに泊まらせて貰うんだ。そのくらいはサービスしなよ」


柊はそのまま続けた。

「2日目は道後温泉って書いてあるんですが、何故松山に行かなければならないんですか?」

「ああ、六車の実家が松山にあるんで、車で一緒に真悟をおじいちゃんおばあちゃんのうちに連れて行ってあげて」

柊は眼鏡の奥から(のぞ)くように名波の顔を見た。

「勿論、志野さんも行くんでしょうね」

「勿論、行かないよ」

「だって、義父母のうちでしょ?孫と一緒にお嫁さんも行かないんですか?」

「1週間経ったら、六車(さとし)さんが息子を迎えに行くからいいんだよ。私だって、1週間も亭主の実家にお泊まりなんてしたくないよ。向こうも、嫁の目のないところで孫をかわいがりたいんじゃないかな?」


柊は自分の母親を想像して答えた。

「分かりました。そして、この名波鮎里(あゆり)さんは名波医師の娘さんですか?」

「よく分かったね。うちの娘、愛媛大学の歯学部を卒業して、N大学の歯学部で研修することになったの。車で一緒に島根分校まで運んで欲しいの。そこに車を置いて、あとはドローンで帰ってくればいいじゃない。琉君は小型ドローンなら操縦できるんでしょ?」

「つまり、名波先生の娘さんの足になれと」

「んー。引越しも手伝って欲しいのよ。多分、服くらいしかないと思うんだけれど、退去時の掃除も手伝って貰えれば・・・」

「大学生は12月に卒業じゃないですよね?」

「卒業研究も終わったし、卒業前旅行をしてから、後は卒業式に行くだけだから、宿を引き払っちゃおうって。ああ、それに涼君は島根分校に行く用事があるんでしょ?」

「はい。入学手続きに1回は顔を出せって、梅桃(ゆすら)から言われています。入学するのは、舞子の試合が終わってからなんで・・・」

「舞子ちゃんはまだ、ごねているの?」

「その話は試合後にしようかなって」


「まあそういうわけで、涼君の保育士の夢を応援するために、男ばかりの子連れ旅を計画してみました。頑張ってください。因みにうちの娘は歯学部だから、子守は無理だわ。じゃあ、明後日、朝出発ですって、今回は子供連れ旅行の準備をしっかりしないとね。新幹線代は私が払います。後、ガソリン代用にカードとETCカードも渡すから、(よろ)しく」

にっこり笑った名波医師は、デザートの器を抱えて、笑顔で立ち上がった。


柊が頭を抱えた。

「ナニー榎田。旅行計画は頼んだ。俺達は子連れ旅行の準備に取りかかる。着替えの服と俺は離乳食セットも持って行かないと、それから・・・」



この時まだ3人は気づいていない。同じ3歳でも男女は大きく違うことを・・・。


 出発の朝、ドローンには4人の青年と2人の幼児が乗り込んだ。

準備のアドバイスをしてくれた越生(おごせ)保育施設長が不安そうな顔をして見送りに来た。


真子学園長も、3人に餞別を渡してねぎらってくれた。

「娘の我が儘(わがまま)に付き合って貰って悪いね。これ、志野に頼まれていたものだから、渡してくれ」

そういうと、真子は涼に小さな軽い箱を渡した。


舞子も見送りに来てくれた。

「紅羽にも、島根分校の責任者、百々梅桃(どどゆすら)にもよ・ろ・し・く」

舞子の目はどこか冷たかった。

鞠斗(まりと)晴崇(はるたか)はニヤニヤしながら、「がーんばれよー」とエールを送ってくれた。


 ドローンはゆっくり空に上がった。小型ドローンは窓が大きく、空の景色がよく見えた。今日は飛行日和(びより)である。

「琉兄たん。雲が一緒に飛んでる。捕まえた~い」

シートベルトがもどかしく、瑠璃はそれを無理矢理くぐって椅子から降りようと始めた。


瑠璃が余りはしゃぐので、琉が珍しく怒り音(おこりおと)を立てた。

「瑠璃、シートベルトをくぐるな!言うこと聞かないと、帰すぞ」

瑠璃はいつもと違う琉にびっくりして、泣き始めてしまった。当然、それにびっくりした梢も泣き始めたので、柊と琉は朝から疲れてしまった。


「それぞれのスマホで、名古屋までの新幹線チケット買っておいたので、そのまま改札を通ってくれ」

新幹線に乗ったことがない琉が、慌てて涼に聞いた。

「そのままって?」

柊がイライラしながら突っ込んだ。

「こうやって改札の画面を近づけるんだ。分からなかったら、僕のやるように真似をしろ」


蹴斗だけが、どんなにうるさくてもニコニコしていた。今日の入籍のことしか考えていなかったからだ。



5人はドローンを神奈川支社で降りて、カンパニーの社員に駅まで送って貰った。駅では、オロオロする琉のスーツケースまで持って、涼が先に改札を抜けた。3人ともジャケットを着ていたので、どう見ても新入社員のような身なりだった。

しかし、桔梗村やN市と違って、スーツ姿で抱っこひもをつけて通勤する男性は、首都圏ではもう珍しくなかった。誰も彼らに奇異の目を向ける者はいなかった。


「指定席は4人分取ったんだ。こんな風にボックス席にしたらいいだろう?」

涼は越生のアドバイスに従って、4人掛けの席を向かい合わせにして、足下にビニールシートを敷いて、幼児2人を置いた。

「悪い。涼ここにいてくれるか?早速、うんち交換の時間だ」

「ああ、了解。1人ずつ連れていったほうが良くないか。1人は見ているよ」

「そうだな。初めてのおむつ替えだ」

「柊、何度もおむつ替えなんてしているだろう」

「揺れる電車の狭い場所でか?」

「わかりました。先輩、お供いたします」

そう言って、梢を連れて2人の兄が出かけると、瑠璃が涼の席の隣によじ登ってきた。


「涼たん。どこに行くの」

「瑠璃ちゃん。今日はね。トトロの国に行くんだよ。それから、真悟君っていうお友達も一緒に行くんだ」

「シンゴ?大きい子?」

「いや、多分、瑠璃ちゃんと同じくらいかな。瑠璃ちゃん、タブレットでトトロの国見るかい?」

「うん」


「ただいま、待たせたね。瑠璃の番だよ」

「やだ、うんちしてない。トトロ見る」

「すまん。琉、俺が見せちゃったんだ。動画に、はまっちゃったね。気が済むまで見せてやろう」


瑠璃はお尻のうんちがカピカピになるまで、タブレットを堪能した。匂いについては、周囲の鼻のいいお母さんが、とがめるような目で見ていたが、知らんぷりをした。泣きわめいたら、もっとすごい目で見られるのは分かっていたから。


 名古屋駅は停車時間が、さほど長くないので、慌てて5人は新幹線を降りた。駅の男性用トイレにもおむつ交換台があって、ほっとした兄たちであった。



名古屋駅の待ち合わせ場所には、元気そうな男の子を連れた、どこか真子学園長に似た雰囲気の女性が待っていた。

「こんにちは。六車志野です。今日はこのままジブリパークに行きますね。駅前駐車場はすぐ出ないといけないんで、自己紹介は車内でしましょう」


 挨拶もそこそこに、5人は桔梗学園のワゴン車に乗り込んだ。名古屋の駅前は流石(さすが)に大都会で、大通りにはプラダなど高級店のショップも並んでいた。しかし、ジブリパークは郊外にあるので、ワゴン車はどんどん郊外に向かっていった。桔梗学園のワゴン車はシートからチャイルドシートが引き出せる仕様になっているので、チャイルドシートを3つ出しても大人4人がゆとりを持って座ることが出来る。


「急がせてごめんなさいね。改めまして、私は六車志野、五十嵐真子の娘です。息子は、真悟3歳です。今日は『ジブリの大倉庫』に11時から入る券を買ってあるの。これで入ってください。これはお昼代です。え?私はもう何度も来たので、今日は遠慮します。3時頃迎えに来ますね。真悟も何度も来ているので、道案内させてください」



 ジブリパークは「愛・地球博記念公園」という巨大な公園内に、いくつかの施設が点在しているらしい。しかし、入り口で貰った地図を見ると、園内にバスが走っているとはいえ、すべて回るにはかなりの体力がいることが分かる。それに12月入ったばかりだが、外は結構冷たい風が吹いている。勧められた「ジブリの大倉庫」は有料ではあるが、室内で、歩くコースも自由なので、子供の気に入ったところで、まったり遊ばせていようと3人は考えた。

しかし、真悟の出現でこの計画は大きく狂っていった。


 真悟は新たな子分、瑠璃の出現で俄然張り切ってしまったのだ。

「ルリ、『こどものまち』にいくぞ。おとなは、はいれないぞ」

「ちょっと待て、真悟。まずはお昼を食べるぞ。12時過ぎに食堂に行ったら混むから、今すぐ行くぞ」

柊に止められると、真悟は真っ赤な顔をして、怒りだした。

「ぼくは、おなかすいてない」

「真悟君、梢ちゃんや瑠璃ちゃんはおなか、ペコペコなんだ。おいしいレストランがどこにあるか、真悟君に教えて貰いたいな」

琉にやさしく言われると、どうにか機嫌を直して、真悟は建物の外に出ようとする。

「真悟君、お兄ちゃん達はレストランに行きたいな。いつもの真悟君達みたいに、お弁当は持ってきてないんだ」


いつもレストランで食事をしている柊には分からなかったが、琉と涼には真悟の行動の意味が分かった。

(何度もここに来ている六車家は、弁当を持って、建物の外の広場で食べていたから、真悟も外に出ようとしたんだなぁ)


真悟のわかりにくい案内の末やっとのことで、カフェを見つけた。涼に子供達の面倒を見て貰って、柊と琉が食事を買ってくることにした。しかし、メニューを見た2人は愕然とした。固いパンに挟んだBLTサンドやピザしかなく、3歳児が食べるものは皆無だった。しょうがなく、自分たちが食べるものだけ買って、真悟と涼が取っていた席を見ると、ちゃんと弁当が並んでいた。


「子供の分は持ってきてあるよ」

涼は事前にレストランとメニューを調べてあり、朝、食堂の人に頼んでおいた弁当を持ってきておいたのだ。小さな一口大のお握りや甘い卵焼き、柔らかく茹でたブロッコリーや小さなパンケーキなどは、真悟の食欲を呼び起こすのに十分だった。お握りには海苔で「おにぎりマン」の顔が描いてあった。

「真悟君もこっちが良かったら食べてね。『おにぎりマン』のお握りもあるよ」


「ぼくは、アンパンマンが好きだけど」

そう言いながらも真悟は両手にお握りとパンケーキを持って食べ始めた。

食の細い瑠璃も、一緒になって食べている。琉が心配して、瑠璃のお腹を()でた。

「瑠璃ぃ。おなか、パンパンだよ。無理して食べなくていいよ」

顔と手にご飯粒と海苔をつけた真悟が、胸をはって答えた。

「大丈夫。うんこにすれば、まだ食べられる」

(六車家の教育はどうなっているんだ?)

梢も海苔だらけの手で、ほっぺたをぺしゃぺしゃ叩いて、「おいしい」を連発していた。


柊と琉は、引きつった笑顔で、「おいしかったの。良かったね」と言いながら、髪の毛や服についたご飯粒や海苔を取っていた。涼は、子分が増えて嬉しくて興奮している真悟が、テーブルの上のコップをなぎ倒さないように、片っ端からコップを移動させていた。

「そんな赤ちゃんのコップでは、ぼくは飲まない。ストロー付きが欲しい」

そう言って、真悟は細いストローを口にくわえて、服にオレンジのシミを点在させていた。


 食後は、真悟お勧めの「子供の町」に向かった。そこで1時間。「床下の家とこびとの庭」で1時間。梢はずっと、猫バスの中でまったりしていた。

3人はカメラで撮影するゾーンに興味がなかったので、特に並ぶこともなく、のんびり3時間遊んだ。

最後にオリヲン座で短編映画を見ながら、寝てしまった真悟と瑠璃を背負って、駐車場に戻った時はちょうど3時だった。


「あらー。真悟も瑠璃ちゃんも寝ちゃったのね。榎田(えのきだ)君、大神(おおかみ)君、狼谷(ろうや)君お疲れ様。夕飯は名古屋名物、味噌煮込みうどんですよ。勿論、手羽先の唐揚げもあるわよ」

 この言葉で、18歳の胃袋を(つか)みました。



 六車志野の家は、地下室のある一軒家だった。地下室にはゲストルームがあって、5人でのんびり寝られる空間があった。

夕飯は見晴らしのいい2階のダイニングで食べた。夫の悟も明日早く出張に行くというということで早く帰ってきていて、5時からの夕飯に同席していた。


「そうか、君たち18歳なのか。落ち着いていて大学生に見えるね」

晩酌をしながら、悟は3人を相手にいい気分で話し始めた。

「悪いね。いつもは俺が真悟を松山に連れて行くんだけど、急に出張が入ってさ。志野のお腹にも赤ちゃんがいて、余り無理させられないんだ」

(そういうわけでしたか)

「悟、明日早いんでしょ?飲み過ぎちゃ駄目よ。真悟はお兄ちゃん達とお風呂に入ったので、もう寝るだけだから、真悟と一緒に寝ちゃってください」


「すいません。僕たちが先にお風呂いただいてしまって」

先にと言うより、真悟と瑠璃の水遊びの合間に身体を洗ったというのが正しいが。

しかし、3人がかりなら子供のお風呂も楽々である。最後に琉が初めてのユニットバスを堪能して、軽くバスタブを洗って風呂を入れ替えたのは内緒である。


悟と真悟が寝室に向かって、夕飯の席は静かになった。瑠璃と梢も居間のカーペットの上にバスタオルを敷いて、その上で既に夢の中である。


「志野さん、ご馳走様でした」

琉と柊がさっと立って、流しを洗いに行った。

「あら、いいのよ。そのまま置いておいてください」


「志野さん。まずは学園長からこれを」

志野は真子からの箱を受け取ると、中から5本の桔梗バンドが出てきた。

「これこれ、欲しかったのよ。お兄ちゃんのところも家族全員、紫のバンドをしているでしょ?うちにも紫をくれたのね。涼君これどうやってつけるの?」

「つけましょうか?簡単です」

「留め金がなくても自動的に巻き付くのね。梢ちゃんと瑠璃ちゃんは足首につけているのね」

「はい、小さい子供はバンドが目に入るといじっちゃうので」


「涼君はバンドをしていないの?」

「僕は柔道をしている時はつけられないので、注射で手首にマイクロチップを打ち込んで貰っています」

「やだ、犬や猫みたい」

柊が代わりに答えた。

「スウェーデンでは、大分前から人間の手の甲にマイクロチップを打ち込んでいます」


「志野さんは、桔梗学園から遠いのに、どうして桔梗バンドが欲しかったんですか?」

「緊急時に救助にきてもらうためよ。大災害が起こった場合、桔梗学園はこの信号が出ている人を救助に来てくれるの。それにこのタイプは、自分の周り1mにバリアーを張ってくれるので、建物が倒壊しても押しつぶされないし、洪水に流されても1ヶ月以上、球形に膨らんで浮かんでいられるの」


「柊は知っていたか?」

「いや、知らない。琉も知らないだろう?」

「いや、俺は知っているよ。白いバンドはそこまでの機能がないから、GPS信号を出すだけだね。ドローンの内部に、要救助者を探知するスクリーンがあってバンドの色の点が映るから」

「俺はただ健康情報を取る機能や、鍵やSuicaのような機能しかないと思っていた」


「君たちは入学してまだ半年だもんね。うちの母さんと美子叔母ちゃんが、過去から戻った人間だって話を知っている?」

3人は話についていけず、お互いに顔を見合わせた。

 

 志野の話は衝撃だった。あえてその出来事が起こった日時を教えてくれなかったが、それを聞いていたら、今日から普通に生活できないと思うほど、悲惨で衝撃的な出来事だった。


次回はついに、真子学園長の秘密が明かされます。

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