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体育祭の準備

いよいよ体育祭の準備が大詰めを迎えました

 今日の朝は朝飯前の仕事が免除され、6月入学の6人は、昨日買いだしてきた品物を仕分けして、競技担当に分配する作業を行っていた。「2806」のクラスルームには、「MEN28」のクラスルームからも机が運び込まれていた。


「まず、各競技の名前の段ボールの中に、それぞれ買ったものをいれてくれ」

今日も仕切りは柊が行っていた。

「ソーイング室って箱には、レジンの道具と鉢巻の布や糸を入れてくれ」

涼が声を上げた。

「レジンって何に使うの?」紅羽が聞いた。

「涼が賞品を作るのに使うの」舞子が代わりに答えた。


「結束バンドは?」

「玉入れ。小学校高学年競技」圭が答える。

「まじ、何に使うの?」琉が不思議そうに尋ねた。

「玉入れの籠は、筍取りの籠を使うから、汚れないように内側に布袋を入れて、籠の縁と布を結束バンドでくくるんだ」圭の答えに、紅羽が言った。

「じゃあ、玉入れのところへはその説明を兼ねて、圭が行って」

「了解。それから、鉢巻はほとんどなかったから、縫うことにしたんだ。それ用の布をソーイング室に運んであるって、行く人伝えて」

紅羽が「私行く」って手を上げた。

「プリントアウトは各クラスルームでできるんだろう?インクや紙の補充はどこに置く?」

柊が聞いた。

「生徒会室でいいんじゃない?」

紅羽が答えた。

嵐のように、仕分けが済んで、全員が荷物を運び出した。


柊が生徒会室に行くと、賀来人と五月が2人で、当日のプログラムを決めていた。

「プリンター用の補充、ここに置くね。不足したら取りに来るように、『タブちゃん』にお知らせ入力しておいて」

柊がそう言って、出て行こうとするのを引き留めて、賀来人が言った。

「プログラム作ったんですけれど見てくれませんか」


「桔梗学園 体育祭」

会場 グランド

1 開会式

2 「野菜探し競争」(幼児)       賞品 メダル

3 「逃げる玉入れ」(小学校低学年)   賞品 おやつ無料券

4 「お祭り障害物ゲーム」(小学校高学年)賞品 射的(しゃてき)景品

5 「男女混合騎馬戦」(中学生)     賞品 おかわり無料券

6 「借り人ゲーム」(高校生)      賞品 くじ引き景品

7 「3ポイントシュートゲーム」      賞品 鞠斗デザインTシャツ    

(外来者 昼食会場 大食堂)


会場 体育館

8 研究発表(トイレ発電機、洗濯乾燥機、使用済みおむつBOX等)

9 ドローン運転体験・試乗体験

10 鞠斗画伯 作品展示販売

11 ソーイング部 作品展示販売



「色々突っ込みどころは満載だけれど、当日までのお楽しみでいいんだよね。

後は、当日の外来者受付の担当者とか、担当案を早めに出した方がいいね。当日いない人もいるだろう?」


「それは流石に荷が重いだろうって、蹴斗さんと鞠斗さんが決めてくれるそうです。研究科の人たちのこととか、僕たち全然分からないんで」賀来人が言った。

「それから、当日どの場所で競技をするのか、ラインなんかはグランドに引かなくていいの?」

「それはプロジェクションマッピングで、芝生の上に描きます」

三川杏が答えた。

「いいね、この施設はこんなこともできるんだ。それから、幼児は競技後には保育施設に戻ると思うけど、外来者以外の昼食ってどうなっているの?」

「厨房の人に、競技終了時間を連絡してありますんで、その時間になったら、応援席にお握り弁当を運んでもらいます。食事運搬の自動運転車があるんです」

杏の答えに、病院の食事を運搬する四角いワゴンを想像した柊であった。


「高校2年生までは、『借り人ゲーム』に出るんですが、ファーストチルドレンの高校3年生と、6月入学の皆さん6名は、3ポイントシュートに出るんですか?」


五月の疑問に柊はしばらく考えて答えた

「僕たち6名は、3ポイントシュートに出る紅羽以外は運営を手伝うんじゃないの?

涼には受付警備と招集頼んであるし、琉には招集。

圭は午後のドローンの方に手一杯じゃないかな。

舞子には食事関係で動いてもらおうと思っていた。

僕は本部のバックアップに入ろうかと思っていた。

鞠斗達に俺たちの思惑はなさなきゃいけないな」


続けて柊が聞いた

「そっちの高校生は当日何するの?」

「そっち」と言われて、杏はどちらからも外れているような気がしてきた。

「私は本部で働くけれど、多分、蹴斗はドローン関係で忙しいと思うし、鞠斗は神出鬼没。晴崇は真子学園長のそばにいるかな?」

「同じスタッフなのに、集まって話し合ったりしないんだ」

痛いところを突かれて、杏は黙り込んでしまった。


三川の昨日の事件を思い出し、五月が気を使って話題を変えた。

「柊さんは誰か呼ぶんですか?」

「琉が双子の妹呼びたいって言うから、招待の権利あげたよ」

柊はカラカラと笑った。

柊は招待の話も、結構「地雷」だと分かっているので、生徒会室からすぐ出て行くことにした。


「朝食の時間だから、大食堂に行くね」


次回から4回連続で、体育祭の1日の出来事を書き続けます。

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