サッポロテイネスキー場
この回は、3回も書き直してしまった。納得がいかない内容では、皆さんにお届けできません。
「久し振り。北海道分校視察の時は世話になったな。今回も大勢連れてきて悪かったな」
柊は陸匠海に土産の苺バームクーヘンを渡しながら、挨拶をした。
「そっちはもう、苺の季節が始まったんだな。いい香りだ。氷魚も悪阻が長くて、最近やっと食べられるようになったんだ。これなら食べられそうだな」
振り返ると、妻の氷魚と妹の氷河が、久しぶりに会ったことを喜び合っていた。
「結局、悠太郎と付き合うことになったんだって?柊はそれで良かったのか?」
「はぁ?氷河さんはバドミントン仲間だけれど、そんな関係じゃないな。ところで、テイネスキー場って、ここから遠いか?」
「少し距離があるな。行きたいか?連れて行ってやりたいけれど・・・」
「いや、こっちこそ、子供達の世話を任せるんだ。僕一人で行くよ」
「スキーは得意なのか?」
「小さい頃、イタリアで母親に連れられて、弟とよく行っていたんだ。スノーボードも出来るけれど、スキーの方が好きかな?」
「そっか、道具もウエアも、ここのものを持って行けよ。足はそうだな。氷魚?今日、誰かスキー場に行ける人いるかな?」
「バレー部が、午後からスキー場でトレーニングするって、バスが出るよ。柊君スキーしたいの?岬大和マネージャーに聞いてみるね」
「え?女子バレー部のバスに、僕一人で乗るの?それも僕だけ遊びだよ」
「女の中に男一人なんて、いつものことだろう?それとも、小学生の子守を3日間するか?」
「・・・・」
「まあ、2日目には子供達を連れて、テイネの『スノーランド』に行くつもりだから、下見をするってことで、頼むぜ」
(子供用の雪遊びエリアか・・・。梢も喜ぶだろうな)
既に柊の頭の中は父親と同じである。
柊が気にするほど、バレー部の面々は柊を気にはしていなかった。
女子バレー部のバスを、「テイネオリンピア前」のJRバス停近くの駐車場で下りると、女子バレー部の面々は、勝手知ったように、白樺第3リフト乗り場まで、滑って行ってしまった。
女子バレー部は「オリンピアゾーン」に向かったのだ。そこは上級から初級までそれぞれの力に合わせたコースがあるゲレンデで、力量に合わせて、3時間滑ることになっているそうだ。
と言っても怪我でもしていない限り、毎週スキー場でトレーニングしている選手達は中級以上で、最も脚力に自信のある組は、こぶだらけの急斜面を一本滑り降りると、板とスキー靴を外して、その斜面の端をリフトを使わず徒歩で登るらしい。
余りにストイックすぎて見るのも辛そうなので、柊は彼女たちが使わないコースを選んだ。
柊は、まず明日子供達が使う「スノーランド」を一通り見学した後、一本だけ初級コースを滑って足慣らしをした後、ゴンドラを2本乗り継いで、手稲山頂まで向かうことにした。
ゴンドラに乗ると、「ちょっと待って下さい」とスキー板を抱えた青年が走り込んできた。2人しか客が乗っていないのに、ゴンドラはドアを閉め、動き出した。
窓から、他の客がゴンドラを諦め、他のコースへ移動するのが見える。
後から乗ってきた青年に目を向けると、青年は肩をすくめた。
「今、索道係員のところへ、電話が入って、『ここから1時間はゴンドラで山頂に人を運ばないように』って連絡が入ったんだ。
「頂上の天候があんなにいいのに?」
「いや、なんかお偉いさんが頂上から滑るんで、警備の関係上、人を制限したいらしいよ」
お偉いさんという言葉で、柊は天皇一家を思い出したが、(数日後に皇居に引っ越すのに、スキーなんかしないか)と思い直した。
「それで、君の後ろの人からストップが掛かったんだけれど、俺は君の友達だって、ごねて乗せて貰ったんだ」
青年は雪焼けした顔から白い歯を覗かせて、いたずらっぽい笑顔を見せた。
「君は、ソロで頂上に向かうの?」
「折角来たんだからね。2本ゴンドラを乗り継いで、頂上に行きたいな」
「じゃあ、これを貸そう」
そう言って、胸ポケットから「パトロール」の腕章を2枚取り出した。
「俺、アルバイトでスキー場のパトロールやインストラクターもやっているんだ」
「僕はそこまで上手くないよ」
「そうか?さっき、ちらっと君の滑りを見ていたけれど、海外のプロスキーヤーみたいなゆったりとしたカッコいい滑りじゃないか」
確かに、小学校までは母の赴任地イタリアで、冬はインストラクターをつけて貰ってスキーをしていたので、そんな滑りなのかも知れない。仕事に忙しい母親は、インストラクターを子守代わりに使っていたようだ。イタリア語もそこで身に付けたと言っても過言ではない。
「スキーはイタリアで習ったからね」
「やっぱりそうか。なら6kmのロングコース滑りたいよね。昨日降った新雪で、ふわふわのパウダースノーだよ。思いのほか、スピードは出るけれど、最高だよ。
震災前はこのスキー場はインバウンドばっかりで、海外リゾートみたいだったんだけれど、今は少しすいているから気持ちよく滑れるよ」
青年の胸のバッチには、「OBATA」とあった。
「君はインバウンド相手のインストラクターだったの?」
「そうそう、医学部だから話せるのは、英語とドイツ語だけなんだけれどね」
医学部に「OBATA」と言えば、思い当たる人物がいる。
「もしかして、君はお姉さんも医者?」
「え?何で分かるの?一番上は『氷魚』って言って獣医だけれど、次の『氷河』って姉貴は整形外科だよ。二人も医者なんだから、俺まで医者にしなくてもいいのにさ」
そういう青年も、姉に似て、すらっと細身で背が高く、美形である。外国人の観光客に人気が出ただろう。
「それで、君の名前にも『氷』がつくの?」
「そうそう『氷』に『高い』で『ひだか』って言うんだけれど、もしかして君って桔梗学園の人?」
「僕は『狼』に『谷』、『ヒイラギ』って書いて『かみやしゅう』って言うんだ。今日、本校から桔梗学園の北海道分校に遠足に来ているんだ。氷高君のお姉さんと婚約者も一緒に来ている」
「東城寺悠太郎さんだろ?偶然だな。今晩悠太郎さんも一緒に家族で食事会をするんだ」
2台のゴンドラを「パトロールパス」で乗り継いで。柊達は手稲山の頂上までたどりついた。頂上は快晴で、山頂から360度、札幌市街、石狩湾、日本海などが見えた。
(どこのお偉いさんなんだろう。こんないい天気のゲレンデを独り占めするのは)
山頂のあちらこちらに、それらしい目つきのスキーヤーが立っている。
(あれが、警備か)
小畑氷高が物怖じもせず、警備とおぼしき人に声をかけに行って、戻ってきた。
「お偉いさんはナチュラルコースに行ったみたいだ。6km滑り降りるのは、ナチュラルコースからスタートするんだけれど、入り口が封鎖されちゃった。
今さっき行ったみたいだから、シティービュークルーズの中級コースで先回りして、脇道からナチュラルコースに入って、お偉いさんの前の道を滑っちゃおうか」
「あー。君たち。ちょっと待って」
イヤホンに手を添えた、警備の警察官が氷高に声をかけた。
しかし、すぐ警察官はイヤホンからの音声と通話し始めた。
「えー?東郷様がナチュラルコースに、人払いするって先に出たんだろう?
なのに、西園寺様が恋子様を連れて、そこに行かずにネイチャーゾーンに向かった?
警備が二分されるじゃないか。あー?コースを外れて、バックカントリー始めたって?」
氷高は警備の警察官に遠慮深く声をかけた。
「バックカントリーは今日はヤバいっすよ。夕べは新雪降っているんで、雪崩の危険性があります」
警察官は、氷高の名札と腕章を見た。
「おい。こっちのパトロールが、ネイチャーゾーンは雪崩の危険性があるって言っているぞ」
氷高の情報を聞いた警備は、片手を上げて氷高に感謝を示した。
氷高に声をかけた警備の警察官は、周囲にいた警察官に声をかけ、ネイチャーゾーンに向かった。
シティービュークルーズの右脇には、林の中を通る「ネイチャーゾーン」というゾーンがある。
ただ、新雪がたっぷり降った今日は、確か、入り口が閉鎖されている。
それはネイチャーゾーンとその周囲との境がわかりにくいからだ。
「どうします?僕たち」
柊は意外な質問に戸惑った。
「協力がいるかな?」
「待って下さい。ネイチャーゾーンって雪崩が起きる危険があるんですよね」
「脇を走るシティービュークルーズを滑るだけだよ。ただ、ネイチャーゾーンで何かあった時に手助けするには、そこにいないと困るからね」
そう言うと、氷高はさっさとシティービュークルーズの方向に降りて行ってしまった。
「乗りかかった船か・・・。嫌な予感しかしないけれど」
大きなため息をつきながら、柊も氷高の滑ったコースを綺麗にトレースしながら下りて行った。
シティービュークルーズは名前の通り、眼下に街が一望できる気持ちの良いコースだった。
1km以上気持ちよく滑ったところで、氷高が立ち止まっていた。
雪煙を上げて、氷高の隣に柊が止まると、そこに先ほどの警備の警察官が止まって、携帯で上司の指示を仰いでいた。
「どうしましたか?」
氷高は柊の耳に口を寄せて、情報を整理して教えてくれた。
「現在、3つのトラブルが起こっているらしい。
1つは、ナチュラルコースに先に進んだ東郷って男が、そこにいた初心者をコースから追い出し、初心者に怪我人が出たと言うこと。林の中で木にぶつかって粉砕骨折したらしい」
「ヤバいっすね。粉砕骨折なら、緊急搬送ですね」
粉砕骨折とは、折れた骨が肌を突き破って、出血していると言うことだ。
「山頂の救急隊がそっちに向かっているらしい」
「2つ目は、その追い出された初心者のボードが、『お姫様』に激突したらしい。『お姫様』は腕に怪我をしたらしいが、切り傷かな?命に別状はない」
「それで、あそこで騒いでいる男は?」
「その東郷って男で、『粉砕骨折した子よりお姫様を優先しろ』って、騒いでいるらしい」
「聞きたくないんですが、3つめは?」
「もう一人の男が、西園寺って言うらしいんだが、あそこに埋まっている」
「首が出ていますね」
「まあね。生きているようだ。『お姫様』にいいかっこして見せようと、林の中に滑り出し、すぐ雪崩に巻き込まれたらしい」
「自分の後ろで、『お姫様』が怪我しているのに気づかず?」
「まあ、兎に角、2回目の雪崩の危険性があるから、あれを掘り出すのは1人じゃ無理だな」
「さて、警備の上司の指示はどうなったんですかね?僕たちは何をしましょうか」
「普通に考えて、粉砕骨折の子の様子を見に行って、『お姫様』の怪我の様子を見るのが、先かな?
俺たちは雪崩の現場には下りられないからね」
2人が怪我人のところに着くと、案の定、東郷に噛みつかれた。
「遅いじゃないか。恋子様の安全を優先にして貰わないと困るよ」
柊は、倒れている女性の顔を再度見直した。青い顔だが、内親王恋子だった。
「恋子様、恋子様?」
柊の呼びかけに、恋子はゆっくり顔を上げた。
「狼谷柊・・さん?」
「頭をぶつけましたか?気持ち悪いですか?」
「大丈夫・・・だと思う」
「おい。お前、医者か?」
東郷はさっきから仁王立ちになったまま叫んでいる。
「いいえ、違いますよ。通りがかりのスキーヤーです。あなたは、この方の傷をご覧になりましたか?」
「女性の体に触れるなんて、失礼なこと出来ないだろう」
柊は、東郷を無視することにした。
「まず、腕を見せて下さい。あー、ウエアだけじゃなくて、腕までざっくり切れていますね。寒いですけれど、ウエアーを脱げますか?消毒したいんですけれど、無理ですね。僕の飲みかけの水筒しかない」
柊は自分のリュックから、手ぬぐいを取り出し、半分に裂いた。裂いた片側を厚く折りたたんで傷口にしっかり当て、もう片側を包帯状にして、腕の傷を保護した。
「他に、痛いところはありますか?氷高さん、この人立たせていいと思いますか?」
「わからないよ。現場見ていないから、そこにいる無事なお姉ちゃんに聞いて?」
東郷にコースから追い出された3人組の女性のうち、一人だけ怪我がない女性に声をかける。
「怖い思いをしましたね。あなたは怪我がありませんか?あれ?岬大和さん、バレー部はオリンピアゾーンに行ったんじゃないですか?」
「天気がいいんで、マネージャー3人でこっちに来たんです」
「そっかぁ。運が悪かったですね。怪我の状況を教えて下さい」
柊の優しい声に、安心したのか。大和が事故の状況を語り出した。
「あそこの人が、後ろからやってきて、私達にコースから出るように言ったんです」
東郷が怒鳴った。
「トドみたいに、コースに寝転んでいただろう。後ろから来る人のために、道を空けるのが当然じゃないか」
女性は唇を噛んだ。
「私達はコースの端で休んでいただけです。それをあの人が突き飛ばしたんです」
「ちょっと押しただけだ」
「コースの外に強く押されて、愛羅ちゃんは、そのまま滑って林の中に入っちゃって、まっすぐ木にぶつかって・・・・」
「押されたのは愛羅さんだけ?」
「いいえ、私も強く押されました。転がって落ちる時に、ボードが外れて、向こうのコースまで滑って行っちゃったんです。ボードを止めようにも、私は深い雪に潜って、中々出られなくって」
「お前のボードが、恋子様にぶつかったんだぞ」
「あなたが押さなければ・・・」
「私のせいにするのか?貧乏人が・・・」
柊は東郷の暴言に言ってやりたいことがあったが、言い争いをしている時間もないので無視した。
「もう一人はどうしたの?」
女性は首を振った。柊は周りを見回すと、腕を抱えて寝転んでいる女性がいた。
「ちょっと御免」
柊は3mくらい離れたところで、木により掛かっている女性のところまで下りていった。
「大丈夫ですか?」
すこし大柄な女性は、手首を見せて泣き出してしまった。柊は、彼女に肩を貸して、コースまで歩かせると、手の様子を観察した。
「手をつきましたか?」
スノーボードを始めたものは、手をついて怪我をすることが多い。手袋を外すと、かなり腫れた手首が出てきた。柊はリュックの中から、来る時に読んでいた「ニューズウイーク」を出して、添え木にして、彼女の手を固めた。
「ゴメンね。帰りに履き替えようと持ってきた靴下なんだけれど、洗ってあるやつだから大丈夫」
そういって、桔梗学園から借りてきたハイソックスを結んで、腕を首から吊り下げた。
「痛み止めはないけれど、これ食べて」
ポケットから、飴を出して、彼女に食べさせた。
「心美ちゃん、大丈夫?折角、腕の怪我が治ってきたのに、また怪我しちゃったね」
心美はアタッカーだが、手の怪我で今はマネージャーの仕事を主にやっている選手だ。
大和が近くに来たので、柊は再び恋子の元に戻った。
「滑ってきたボードが手に当たったんですね」
「はい」
「その後、転んで他にぶつかったところはありますか?」
「特にないようです」
救急隊がやってきて、粉砕骨折した愛羅が救助用ボートに収納された。
「大和さん、先に下の救護所に向かいましょう」
「心美ちゃんは滑れる?」
心美は手首を押さえて首を振った。
「じゃあさ、俺のスキーの後ろに立って、俺の胴を抱えてくれれば、下のリフトまで下りられるよ」
「氷高君頼むよ。心美さん、大和さん、この人、小畑先生の弟の氷高さんなんだ。
スキーインストラクターだから上手だよ」
「初めまして、姉がいつもお世話になっています」
心美と大和は、氷高の涼しげな笑顔に顔を綻ばせている。
「この斜面を下りて、リフトで再度山頂に上がれば、ゴンドラで下りられるね」
「じゃあ、僕はこの初心者さんとゆっくり下に降りて、ゴンドラに乗ります」
「僕は、大和さんのボードを回収してきますね」
恋子に怪我をさせたボードは、斜面の4mくらい下で見つかった。
「これですね?大和さん」
「え?これじゃないですよ。あそこの林の中の赤いやつですかね」
柊は、2つのボードを回収して、ふと考えた。近くで警備している警察官に、ボードを預けて、そのまま帰ってきた。
「大和さんのボードは赤いんですよね?申し訳ないですが、警察に預けてきました」
「私も、後で警察に呼ばれますよね」
「ん~。女性にぶつかったのは、紺色のボードじゃないのかな?」
「まあ、何より、愛羅さんのことが心配です。早く下に降りましょう?
「おい、恋子様はどうする」
東郷の声に、柊が振り返った。
「君は婚約者候補なんだろう?」
「恋子様は、腕が痛くてストックがもてないじゃないか」
「あなたが一緒に連れて下りればいいじゃないですか?」
「私は、ボードがない」
「どうしたんですか?」
「あいつらをコースから追い出す時、どこかに行った」
「へー。紺色のボードですか?」
「何で知っている?」
「紺色のボードなら、警察に預けておきましたよ」
「なに、勝手なことを」
東郷は自分のボードが恋子にぶつかったのに、大和のボードがぶつかったことにしようと思っていたのだ。
山の天気は変りやすい。冷たい風が下から吹き上げてきた。柊は腹を括った。
「大和さん。氷高君と一緒に、斜面を下りて下さい。僕はこちらの女性を連れて行きます」
柊は警備の警察官に許可を貰って、恋子を負ぶった。警察官は腰に拳銃があるので負ぶうことが出来ないのだ。
左右に警察官を従えて、恋子を負ぶった柊は、斜面を滑り降りた。
リフトやゴンドラでの恋子のお付きは、警察官に任せて、柊は女子バレー部と氷高と一緒に救護所まで向かった。
大和は愛理と一緒に救急車に乗って、病院に向かったので、代わりに氷高が運転して、北海道分校までバスを運んでくれた。
「助かったよ」
「こっちもタクシーで向かおうと思っていたんだ。それにこのバスならスムーズに、桔梗学園には入れるしね」
そう言って、氷高は手首の白い桔梗バンドを見せた。
心美の手首の怪我は、幸い単なる捻挫だった。
愛理の腕の粉砕骨折は、緊急手術のお陰でまっすぐつなげられたが、全治3ヶ月の治療を要した。
東郷は、愛理に対する暴行で警察に連れて行かれたが、その後、警察の鑑定結果で、恋子の腕に傷をつけたのは東郷のボードだということも判明した。
立ち入り禁止区域で雪崩に巻き込まれた西園寺の救出は、翌日早朝まで掛かった。命に別状はなかったが、肺炎で1ヶ月入院をしたらしい。
恋子の腕の傷は5針も縫う大怪我で、ローブデコルテを着用すると目立つ場所に傷が着いてしまった。
スキー場デートは、恋子の婚約者の最終候補2人の中から、1人を選ぶ機会だったのだが、宮内庁も天皇もこの不始末に頭を抱えた。そして、恋子の結婚より先に、皇位継承順位2位の春仁様が24歳で結婚なさることが決まった。
次回は子供と雪遊びします。