第三話 異世界での出来事
部屋へと運ばれた。
この部屋は、思いのほか良くまあ、王が勇者のために用意してくれた部屋だ汚いとか言うことは無いだろう。
テレビとかがあれば4つ星ホテルを名乗っても文句がないくらいだ。
「コンコン」
ドアのノックの音が聞こえた。
「あの失礼します。勇者とあ様」
この声は、あの執事のやつか?
「入っていいぞ。」
「この世界のルールのようなものをお伝えしておいた方がよろしいかと思いまして。」
あ〜、ゲームとかであるミニミッション的なイベントか面倒くさいし、後にしておこう。
「ごめん、後にしてくれないか、急に別の世界に飛ばされて混乱していて、心が落ち着いたら呼ぶよ。」
少し心配そうな表情を浮かべた。
「さようでございますか。では、失礼いたしました。」
さすが執事だ帰る時も行く時も綺麗な歩きだ。
あ〜、ひまだな。
だいたいこういう系のゲームでは、ステータスオープンと言えばステータスが表示されるだろう。
「えっと、ステータスオープン」
「ブゥン」
ゲームの効果音のようなものがなり視界のど真ん中にステータスが表示された。
「んっと、どれどれ〜」
ステータス偽装、能力コピー、レベル1、攻撃力1000、素早さ1500まあまあいいじゃねえか。
あ〜、ステータス偽装の効果か?
まあ、ちょっと見て欲しくないとも思っていたしちょうどいいや。だって実力隠して肝心なところでドン!ってのも良さそうだし…。
「コンコン。」
ドアを叩くような音が鳴った。
「はい、入ってください。」
「失礼します。」
女性の声だ。
メイドかなにかだろうか?
彼女は、忍者のごとく何の音も立てずに入ってきた。
ーーーうわ〜、めっちゃ美人やんけ。
いや、子供?俺と同い年くらいか奴隷か?それとも…。
まあ、こまかいことは、あとに置いといて、この女の子だ。
とボブの鮮やかな赤色の髪にメイド服!!このアニメ好きにはたまらない姿だ。
落ち着け初めて会った人「わぁー、可愛い」とか言ったら俺の経験上80.5%の確率でキモがられる。ここは、落ち着いて、「はい、なんですか?」
「あの、勇者様後ろ向いて貰えませんか?」
何故だろう?疑問はあるが俺は、その可愛い声に免じて文句を言わずに後ろを向いた。
ーへ?
熱い?
痛い?
やばいえ?
ー熱い痛い熱い痛い熱い痛い…
落ち着け何故?
後ろを振り向いた。
彼の目には、気味の悪い笑みを浮かべるさっきの女だ?
「ありがとう勇者様おかげで私のステータス99レベルよこれで私の人生は、勝ち組まあ、私に簡単に騙された貴方は負け組だけどね、」
あの女は、俺に何かの魔法をかけた。
あの女のステータスを見る限り、多分事実変更Lv1だろう、フェイクフェイス、フェイクボイス、フェイクボディーがあるからこれで逃げるつもりなのだろう。
「お、まえ」
喋ると痛みが増した。痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いーー…。
とうとう勇者とあの命は尽きてしまった。