表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/19

第十五話:会談

「まあ……! お兄様かわたくしに会いたいと申していたのは、あなだったのね」


「おじょうさま……!」


 お兄様か、わたくしに会いたいと申してした一団と会うこうしょうの後。約束の日時に、約束の場所に現れたのは、皆、わたくしも知る者でしたわ。先頭にいますのは、オーケりょうりょうきんこうしょう、ベンノ。わたくしが子どもの頃から知っている、せいじつな男ですわ。


「ベンノ……、つらい思いをさせたのですわね。(いっ)に加わるなど……」


「おじょうさま……! わしらは、わしらは先のごりょうしゅさまには、それはそれは良くして頂きました! 

 おいえが苦しくなろうと、わしらにじゅうぜいすお心など、じんもないお方でした!」


 ベンノは会ってすぐ、泣きながらきゅうじょうを切々と語り始めましたわ……


「しかし、今のごりょうしゅさまは……!」


「ワシラの事なんざ、これっぽっちも考えて下さらねえ……!」


わしらの食いがなくなろうと、ごりょうしゅさまの欲しいぜいされます!」


「んだ! それに、せた土地にはもったい無いと、のうまで取り上げなさるだ!」


「なんですって? のうを?!」


 のうを与え、そして少しでもしゅうかくりょうを増やし、ひんの差がなくなるようなせいさくを行ってまいりましたのに……! 何て事を……


「それだけではありません! 安くして下さっていた、最新に近いのう。それを、古いのうに変えられるならまだまし。取り上げただけで、たいしたのうもなく、今まで以上のぜいされなさるのです……!」


「ワシラは、そんなにされては食っていけませんだ……!」


りょうの売買には、そこに住まう者も(いっ)しょに売られます……」


「農民は、勝手に住む所を変えられねえ……」


「だから、わしらは(いっ)に加わったのです……!」


「ワシラは、おやさしいエイナルぼっちゃまやカナリアおじょうさまの元で働きたい……」


ぼっちゃまやおじょうさまの元でなら、わしらはがんれます」


「ワシラは、ただ、坊ちゃまやおじょうさまの元に帰りたいですだよぉ……

 そのためにゃ、こうして(いっ)に加わるしかなかったですよ…………」


「良くして下さっていたごりょうしゅさまのお顔にどろるまいと、歯を食いしばりがんりました。

 んだど、もうですだよ……!」


 きっと、というのは本当でございますわ。はだつやの良かったしっかりした体はおとろえ、骨と皮に近くなっておりますもの……


「……カナリアじょうのお父上、ぎみの治めるりょうりょうみんは、りょうしゅを大変(した)っているといううわさまことだったのですね」


もちろんです! わしらは作物を作る事しかできません!」


「そんなワシラから、してぜいを多く取る事もなさらねえ!」


「毎年、きちんとぜいをありがとうと、ねぎらってさえ下さるだ!」


「それは当然だわ。わたくしたちは、一粒の麦ですら育ててはおりません。それでもえないのは、みなが麦を育て、ぜいおさめてくれるからですもの」


「これ程(りょう)みんを思い、りょうみんからしたわれるりょうしゅめずらしい。

 そんなりょうしゅつかえていれば、じゅうぜいを当たり前と思うりょうしゅつかえるのは、さぞつらかっただろう……」


「はい。わしらは、おつかえするのがいやなんじゃねえです。

 おつかえして、ぜいおさめてもしくない方におつかえさせてもらいてえだけでさあ……」


 ◇


 キャレさまはみなに充分な食事を与えられ、さらくわしくお話しをお聞きになられましたわ。


 そして、当然ながら、誰も(いっ)を起こしたくて起こしていないとくくられましたの。


のうものは、たみではない。(いっ)を起こされるようなせいさくく、しんの方だ」


 そうおっしゃられ、のうみんいっの平和的なへいていと、のうみんいっが起きたりょうりょうしゅへの対応を開始されたのですわ。

 誤字報告、ありがとうございます。


 お読み下さって有難うございます。お楽しみ頂けましたら幸いです。


 面白かった、良かったなど、お気楽に下の

 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 にて、★1から★5で評価して下さいね。


 いいね!も、宜しくお願いします。


 続きが気になった方は、ブックマークして下さるとすっごく嬉しいです!


 感想や応援メッセージもお待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【事実は小説より。異世界ライフがリアル】も宜しくお願いします。女の子が主人公の、異世界転移してからの日常の物語です。 【お父様!今時、深窓のご令嬢なんてもう古いのよ!―伯爵令嬢は、旅をして婚約者を見付ける―】も宜しくお願いします。 【貴族の家名と領地名は違うよ】も宜しくお願いします。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ