二人でお風呂(健全…だよ)
この土日は数回更新します。
お風呂に先に入っていったユージ。
ボクはその脱衣所にそっと忍び込む。
『背中を流してあげるね』って言って、バスタオルを巻いたまま入っていくんだ。
そうすればきっとドキドキしてくれるはずだよね!
えっと、バスタオルはうっかり落ちないように…落ちたほうがいいのかな?
で、でもそれには心の準備が…。
シャツと短パンの上にバスタオルを巻いて、バスタオルが落ちた時のユージの反応を見るってのはどうだろう?
『きゃあっ!バスタオルがあ!』
『うわあ!目を隠さないとお!』
『えへへ。実は中に服を着てました!』
『うわあ。ドキドキしたじゃないかあ!』
とかとかっ!
よーし、そうと決まれば!
「ユージ」
「ん?どうした?」
脱衣室にボクが居るのにちっとも慌てないんだな。
でも、そんな余裕ぶっていられるのも今のうちだからね!
「背中流してあげるね」
「いいのか?」
だから恥ずかしがってよ!
がちゃっ
「じゃあ、頼むよ」
目の前にユージのたくましい背中。
そして、腰には何も巻いていないからお尻が…。
「何で腰にタオルを巻いてないのさ!」
「後ろ向きだからいいだろ?それにこのタオルで背中流してくれるんだろ?」
「タオルじゃないもので背中流すから、ちゃんと隠して!」
…
…
…またやってしまったああああっ!
何だよ、タオルじゃないものって?!
手なの?それとも胸とか?
そんなこと絶対無理だからっ!
「そうか、じゃあ頼むよ」
ユージもさらりと受け流さないでっ!
な、何か代わりになるものは…
足の裏をこする軽石は駄目だよね。
あの大きな亀の子たわしはユージのお父さん専用だって聞いてるし。
「風邪ひくから早くしてくれよ」
ああっ、こうなったらっ!
ごしごしごし
「何だ、タオル持ってたのか。ん?ちょっと生地が違うんだな」
「う、うん。まあね」
タオルじゃないよ、ボクのシャツだから!
だってバスタオルでこすったら振り向かれた時に見られちゃうし、下着とか論外だし。
「このくらいでいいかな?」
「おう、ありがとうな」
「じゃあ、ボクは出るね」
「そのまま浸かっていけばいいのに」
「ユージのあとにするから」
「久しぶりに一緒に入れるのになあ」
「へ?」
今なんて?
かぽーん
「うちの風呂桶でかいから、今の俺たちでも大丈夫だろ?」
「そ、そうだね」
「昔はもっと広く感じたよな」
「小3だったもんね」
ああ、返事しているけど、心ここにあらずだよっ!
いくら風呂桶が大きくても、足とか当たるし、目の前のユージは限りなく全裸に近いし!
それにしてもバスタオル巻いているボクを見てもやっぱり照れないんだよなあ。
よーし、こうなったらっ!
「ねえ、ユージ。バスタオルがあると入った気がしないから、取ってもいいかな?」
「えっ?」
少し慌てたような声を上げるユージ。
「温泉の素が入っているから大丈夫だよね?」
「ま、待てよ!」
「何?」
「いくら親友同士でも、それは駄目だろ」
んふふ。ユージったら、ついにボクのことを女の子って認めたね?
「ちょっと待ってろ」
タオルで目隠しをしているユージ。
え?何してるの?
「よし、これでバスタオルを取っても俺には見えないから大丈夫だぞ!」
はああああああっ?!
恥ずかしいとかじゃないの?
どうしてそれでオッケーになるのさ?
それにそれにっ!
そのタオル、腰に巻いてた奴だよね?
「ユージだって、立ったらボクに見えちゃうじゃないか!」
「それもそうか。じゃあ、さっきのタオルでゆかりんも目隠ししろよ」
さっきのタオルってボクのシャツのことだよね?
「わ、わかったよ」
シャツで目隠しするついでにバスタオルと短パンと下着も全部脱いでっと。
その代わりに目隠し取れたら、絶対に責任取ってもらうからねっ!
い、一生一緒に居させてやるんだからなっ!
「はあ、いい湯だな」
「そうだね」
「何だかゆかりんと一緒に入っていると思うだけで気分がいいな」
「そう?」
ボクもだよ。
ユージと一緒にお風呂に入っているだけで、すごくドキドキしてる。
それからたわいもないおしゃべりをして、ユージが手探りでお風呂から出て行った。
「ふああああああっ」
目隠しを外して思わず大きく息を吐く。
めっちゃ緊張したよお!
でも、ユージと一緒にお風呂入れてよかったあ。
ううん、何よりも…。
ユージがボクのこと、女の子扱いしてくれたんだっ!
こんな嬉しいことってないよね?!
さて、着替え着替えと。
いつもボクがお風呂に入ると、ユージのお母さんがボクの着替えを用意しておいてくれるんだ。
下着とパジャマをねっ。
…
…
…あれ?
今、この家にユージと二人っきりだよね?
じゃあ、ここにボクの着替えを準備したのって誰?
…やっぱりユージだよね?
畳んだパジャマの上に鎮座している下着。
ユージってボクの下着とか触っても平気なのかな?
それとも、ドキドキしながら置いてくれたのかな?
どっちなんだろ?
確かめられないけど、少しでもドキドキしてくれたらいいのにな。
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