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勘違い

俺はトボトボと女剣士の後ろを歩いていた。

 彼女の名前は、シルビィだ。魔王を倒す為の旅をしているらしい。そして、母にたった10Gで売られた俺はこいつの荷物持ちをさせられているわけだ。

 「いい買い物だった。あなたのお母さんクレイジーね。息子を10Gで売るなんて、ポーション1個でも100Gぐらいかかるよ?」

 「そうだな。薄情すぎて涙が出るよ」

 「そんなにふて腐れないでよー。これから一緒に旅するんだから仲良く!ね?」

 「まぁ、それもそうだけど、、

 それより、何で俺みたいな何もできない一般人をパーティーに入れたんだ?」

 「???」

 俺は不思議なことは何も言ってないが、疑問符がシルビィの周りを飛んでいた。

 俺は転生者ではあるが、無職だし(最近知ったから誰にも言ってないし母も知らない)。生前の特化した能力がある訳じゃないし、一般の人と変わりない。そんなモブ1号みたいな俺を気に止めた理由を知りたかった。

 「だって、アーロイって転生者でしょ??私、知り合いにいるから何となく雰囲気でわかるんだよねー。」

 「…………へ??」

 成る程、転生者って思ったから誘われたわけか!俺みたいな一般人を仲間にしたわけがようやく分かった。

 ………………

 「(!!やっべーーー!!!!)」

 転生者探してたのかよ!?俺、転生者だけどもとニートだぜ?もとめてる力の差が激しすぎる。

 「 アーロイは、前世の職業ってなんだったの?」

 うぉー!速攻で来たぜ一番言いたくない質問。でも、正直に言った方が諦められるし、母親に謝ればまたのんびりした生活に戻れるな。

 「実は、にっ、、ニートだったんだ。」

 「ふ~ん。何かスゴそー!」

 ???

 何だか予想した反応と違わないか?

 「あの村で生活してたってことはまだ能力の活用とかはまだしたことないんだよね?私でよければ力になっていくからね。」

 何か話が噛み合ってない気がする。

 「ちなみにシルビィは、ニートがどんな職業かは知ってる?」

 「ん?知らないよ。でも、転生者なんだからすごいに決まってる!」

 こいつは、やばいぞ…勘違いで暴走してる。早く誤解を解かなくては!

 「 シルビィ、言いにくいんだけど、ニートって言うのは、、、」

 「やっぱりまずは、前世の能力をいかにしてこの世界で生かしていくかが問題よね。」

 「 シルビィ、言いにくいんだけど、、、」

 「そこは、やっぱり先人に聞くのが一番だと思うの!さっき言ってた私の知り合いの転生者に会いに行きましょ?!」

 「こいつ………」

 こっちの話し全く聞かねーじゃねーかーーー!

 「そーと決まれば早く次の町へ行きましょ。」

 シルビィは、俺の手を握ると走り出していった。

 満面の笑みで、、、

 俺の話を全く聞かず、、、

 でも、、

 頼られてる感覚って生まれて初めてだな。

 もう少し、続けてもいいかな。この勘違いが終わるまで。

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