表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/33

こういうことなんだ


 今度はキョウが慌てる。

 キョウはファウがいた辺りの壁を確認する。

 そこは武器が飾ってある、いつもと何ら変哲のない壁だった。


――ファウはいったいどこに行ってしまったのだろう?

 キョウはなすすべなく、ファウが消えた辺りをウロウロしていた。




     * * *


 十分ほどでファウは戻って来た。

 ファウはキョウの名前を呼び、今にも泣き出しそうな顔でキョウの体を抱きしめた。


「……心配かけて、ごめん」

 キョウは自分の体に戻っていた。

「説明するから」



 キョウは立ち上がり、外に出ようとした環境維持ロボを持ち上げる。

 環境維持ロボを抱いたまま椅子に座る。


「こういうことなんだ」

 キョウは目を開いたまま硬直したように動かなくなる。


 と同時に環境維持ロボの水晶が光り、動き出した。

 環境維持ロボはキョウの腕から離れ、床の上に降りる。ファウの周りを回って、キョウの元へ。


 ロボの水晶の光が消え、今度はキョウが目を開けた。


「つまり、このロボはあなたなの?」

 ファウの問いにキョウは頷いた。




     * * *


「しばらく、ここにいるから」

 とカーラは言う。


「ここに?」

 リゾは怪訝な顔をする。

 ここはリゾの家で、カーラを招き入れた覚えはないのだ。


 そんなリゾの思いに気づいてか気づかずか、カーラが勝手知ったる他人の家とばかりに冷蔵庫を開けた。

 ジュースを見つけ、それをコップに入れて飲み始める。


「あなたも飲む?」

「あ、あぁ」

 リゾは頷く。

 カーラはリゾにコップを差し出すが、リゾはまだ動けなかった。

 カーラはリゾの分はテーブルに置いたまま、自分のジュースを飲む。


 びっくりするくらいまずかった。

「……何、これ?」


「大根スムージー」

「はあ!?」

「最近、流行ってるらしい」

「えぇ?」

「豊作だったそうでお供えされてたらしい。ロイからお裾分けをもらった」

「まあ」


 カーラは残りの大根スムージーも飲んだ。

 落ち着いて味わうと、それは大根おろしだった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ