理由と手段
「この状況は?」
淡々と質問するリゾに、カーラはやれやれとため息をついた。
「さっきの女の子みたいに慌てふためいたら少しはかわいいのに」
「……?」
「怖い女戦士が狙ってたから助けて上げたのよ」
カーラは立ち上がり、服を着始める。
カーラの説明にやはりリゾは首を傾げる。
「女戦士?」
リゾは椅子に座ったまま、まだ動けなかった。
環境維持ロボを操った後は動けるようになるのに時間がかかることがある。
そんなリソの状況を承知しているカーラは、にやりとする。
「着させてあげようか?」
だがリゾはそれに答える気がないようで、
「なんで裸なんだ?」
「私が脱がせたから」
「その理由を聞いている」
リゾはやはり淡々と質問してくる。
「今、言ったでしょ。怖い女戦士が狙っていたからよ」
「裸である必要は?」
「裸の男女が抱き合ってたら、さすがの女戦士も手出ししないと思ったの。魂の抜けたあなたと私とじゃ、あの女戦士には敵わないから」
「……? そうか」
そこで納得するリゾに、カーラは拍子抜けした。
その女戦士が戦いを挑みに来たかどうかもわからないだろうに。
「それともあの女戦士を誘ってる? ――そうねぇ、レンのお守りで大変だったろうし、あなたにはあーいうタイプの女性が合うかもね」
やはりリゾはその話を聞いてないようで、何か考え込んでいた。
ここに来る女戦士といえば、二番隊隊長でもあるファウ・レファイしか考えられないが……
「なんで、ファウ・レファイがここに?」
「さあ? そんな理由、私が知るはずもないわ」
「理由じゃなくて手段を聞いている」
「今度は理由じゃないのね」
さっきは理由聞いたくせに、とカーラは脱力した。
だがカーラは理由も知らなければ、手段も知らない。
「……あなたが来れるようにした訳じゃないの?」
「いや」
「なかなか強そうなお嬢さんだけど、結界を通り抜けることが出来そうには見えなかったのよね……」
リゾもその意見に同意だった。
リゾはなぜファウがここに来たかよりも、どうやってここに来たかのほうが気になっていた――