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月色の砂漠~長老の野望~  作者: チク


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11/33

ひょっとして

 ミンはケイの顔を見た。仮面で隠された顔は笑っているのだろうか?

 ケイという男は、女相手に決してこんなこと言わないはずなのだ。


「あなた、まさか……」

 ミンはあることに気づいた。だがそんなはずはないと思い直す。



 ケイとミンが見つめ合ったまま動かないので、長老は慌てる。


「嫌ですよ、ケイ様、私の姪に何をするおつもりで? 冗談きついなー。あ、あはは……」

 強引に笑い声を出しながら、長老はケイとミンの間に割って入った。



「まあ、冗談だよ。きみも冗談で言ったんだろう?」

 と、ケイはミンに言う。

 ミンは長老に促されるまま、長老の後ろに押しやられた。



「今日の話はこれでおしまいにしよう。それと長老にお願いがあるんだけどね? 明日、クスナ君をつれてきてくれない?」


「クスナ殿ですか?」

「あぁ。嫌とは言わせないよ?」

 ケイは仮面ごしに長老を睨みつける。


「クスナ殿になんの用事が?」

「僕が彼にとっても興味があるのは知ってるだろう。……そういうことだよ?」

 ケイは笑ったようだった。


 長老は複雑な面持ちで頷いた。




     *


 最高位が住まうとされる神殿は、ルウの地中央にある一番大きな泉の中にある島の中にある。

 謁見に赴く際は、小舟に乗り島に渡る。


 帰りの舟に乗っているのは、オールを漕ぐ兵士と長老とミンだった。


 ミンは長老に怒られるのを覚悟していたのだが、長老の怒りはクスナに向いているようだった。

「……あの男娼風情が! よそ者の癖に。最高位をたらしこんだ……」

 長老は、長老とは思えぬような口汚い言葉をつぶやいている。


 ミンは宥めるでもなくその様子を見ていた。そして思い出した。




 二番隊隊長であるファウが攫われた時――

 長老と一番隊長である弟のガイルと、レファイ家に雇われた魔導師クスナ・ク・ガイルがが急遽、謁見に向かったのだ。


『私がですか?』

 魔導師クスナは不思議そうな顔だった。


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