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墓参り


 ファウ・レファイは予想外のものを見てしまい、面喰った。

 怒り心頭の境地でリゾの家を蹴破る勢いで突撃したファウだったのだが……


 そこで見たものは、裸で抱き合うリゾと女の姿だった。

 リゾは上裸で椅子に座っていた。

 女はその上に座りリゾにしがみつくような形だ。丁度、女がファウに背を向ける姿勢になっている。


 女はくるりと振り返る。




「誰よ! あなた!! リゾは渡さないから」


 裸の女はリゾを抱きしめる。


 まさか、そんなシーンを目撃してしまうとは、ファウは固まった。

 ここにいてはいけない! だがドキドキして動けない。


 頭が真っ白になったファウは……



「……すいません! 間違えました!!」


 そんなことを口走って、飛び出すように退室した。

 転びそうになった。ドキドキが止まらなかった。




     *


 事の発端は、キョウの様子がおかしかったからだ。

 椅子に座り微動だに動かない。呼びかけても返事はしないし、目は開いたまま。寝てるわけでもなさそう。


 ファウはこの現象に心当たりがあった。


 リソに攫われた時、度々リゾとレンがこういう状態になっていたのだ。


 それを思い出したファウは、てっきりまたリゾがキョウに何かしたんじゃないかと思った。

 だからキョウの家に残されてた水晶を使って、リゾの家に来て問い詰めてやろうと思っていたのだ。


 そこで裸で抱き合うリゾと女の姿を目撃してしまったというわけだった――。




     * * *


 首筋に長い髪が触れている感触。

 肌と肌が密着している。

 リゾは自分がどういう状況なのか混乱しかけた。


「気が付いた?」

 女の声だ。


「……カーラ?」

 リゾは意外そうにその名前を呼んでいた。


「久しぶり」

 答えたのは黒髪の妖艶な女。

「レンのお墓参りに来たの」



 だが、墓参りにしてはおかしな状況だ。カーラの顔がリゾの眼前にある。

 カーラは上裸で椅子に座っているリゾの上に座り体を密着させている。抱き着かれているリゾも上裸だった。


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