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ご覧いただき、ありがとうございます。
階段を下りて二階に来た。
左手に壁を見ながら進んでいけば迷うことなく目的地に進んでいける。
途中、魔物の形をした人形が、入場者を驚かすためにむかってくるが、フレアは無視してずんずん奥へ進んだ。
そして、例の石板の前にたどり着いた。
そう、それこそは勇者の言葉を刻んだ石板だった。
優にフレアの身長ほどもある石板は、通路の突き当たりに立っていた。
その石板は年月の風化を感じさせる面持ちで、威厳を感じさせる。
まぁ、そうなるように日頃フレアが手入れしているのだが、年々訪れる客は減っていき、そろそろ待ったなしになりつつあることは、フレア自身も重々承知している。
石板に刻まれた文字を指でなぞりながら、見慣れたその言葉を口ずさんだのちに、その場を後にした。
その石板に刻まれた言葉はこのようなものだった。
『私の血を引く者よ、今は滅びたが、悪はいずれ復活するだろう。
魔の島は封印した。
魔の島に渡るためのものは、賢者達に預けた。
再び魔の島に悪が蘇ったなら、それらを集め、戦うがいい。』
『奥様は、賢者サマ』の連載を開始しました。
ちょっと大人向けの表現が多いので、気になる方は御覧下さい。