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「済まなかった、許してくれ。」
と言ってアランは頭を下げた。
全員武器は収めて、僧侶の幽霊を見つめている。
僧侶の幽霊は、やれやれと言った感じて、肩を寄せて手のひらを上げてみせると、階段と反対方向に移動して行った。
僧侶の幽霊の話に、どうしていいいものかと首を捻りながら、再び鐘の位置に移動して、眼下を見下ろした。
僧侶の幽霊の話しは信じがたいものだった。
この町は、近くの鉱山からとれる魔石から魔道具を作り出し、それを売る事で成り立っていた。
鉱山にはドワーフという一族が住んでいて、魔石や宝石などを採掘したりしていて、一部は町に移り住み、それらの装飾などを行っていたらしい。
町の規模は大きくは無いが、優秀な職人や魔法使いが住んでいて、活気のある町のだったそうだ。
そんなあるとき、鉱山からひときわ大きな魔石が発見された。
たまに発見される精霊石という、精霊が封じ込められた石の巨大なものらしく、鉱物に目がないドワーフ達は大興奮だったようだ。
当時のドワーフ王は、禍々しいこの精霊石の採掘を禁止したが、欲に釣られたドワーフが無断で採掘したことから悲劇が始まった。




