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目を開けて分かったが、どうやら膝枕の状態だったらしい。
二つの山の向こうから、笑顔がのぞいている。
「女性を下からのぞいてはいけませんよ」
すぐさま目を、手でおおい被された。
仕方がないので、耳で辺りをうかがう。
どうやらまだ、洞窟のようだ。
『グリーンドラゴン』は倒せたのだろうか?
ここに王女がいると思っていたが間違いだったのか?
この女性は誰なんだろう?
この回復魔法はなに?
いろいろな事が一気に頭に浮かんで、フレアはちょっと混乱してきた。
柔らかい太ももの感触を感じながら、どう切り出そうか考えていた。
そうこうしているうちに、
「もう大丈夫ですよ」
と言われた。
体の感覚を確かめながら、ゆっくりと体を動かした。
もう痛みはなかった。
フレアはゆっくりと体を起こした、立ちあがった。
そしてふたたび、女性と視線を合わせる。
年のころは15、6といったところか、長い黒髪と細長い目、幼さはあるが美人だ。
国王の話から考えて、国王より年長のはずである、三代前の国王の王女ではない、きっと王女に仕える女性か王女の娘なのだと思い、
「さらわれた王女を探しています。王女はここにいますか?」
と問うた。
女性はにっこり笑って、
「ええ」
と答えた。




