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窓側席の設楽君  作者: 星岳斗
プロローグ
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プロローグ

 プロローグ  設楽君の放課後


 人間には、様々な人がいる。


 運動が得意な人、勉強ができる人、何かを極めようとしている人、何かに追われている人、恋に忙しい人、遊びに忙しい人、そして何もしていない人。出せばきりがないほど、世の中にはたくさんの人がいてそれぞれ特徴的な形を、色を作っている。


 俺は、それを見るのが好きだった。行動の全てには必ず意味があって、それぞれに色が存在する。それは美しく、ずっと見ていられる。

 

 それが顕著に見れるのが、この放課後だった。部活に勤しむ人もいれば、みんなで遊ぶ予定を立てて町まで遊びに行く人もいる。ただ、学校をぶらぶらと残って何かしている人もいる。他にも、新作のゲームに手をつけるためにそそくさと帰る人も。

 

 俺の放課後はそんな光景を、ただ窓から眺めるだけだった。夕焼けを背景に見る眺めは、それはそれは雅なもので、少しばかり開けておいた窓から心地いい風が流れる中で寝るのも最高に気持ちがいい。


 何をするのでもない、ただ窓から移る景色を見るだけ。それが俺にとっての毎日だった。

 

 別に、勘違いしてほしくないのは俺がぼっちだとか、いじめられているとかそういうのではない。ぼっちなのは合ってるかもしれないが…(まぁ、友達は数人いるし…)。そもそも、いじめられていたら学校なんて場所に長居せず、逃げるように帰るかそもそも学校なんかに来ていない筈なのだ。


「おっ、(れい)君じゃん。おぉーっす!」


 教室に二人の男子生徒が入ってきた。


「設楽、いつもながら窓から学校の警備、ご苦労さん。」

「よ、お前ら。部活お疲れさん。」


 こいつらは、同じクラスのサッカー部で、最初に話しかけてきた太陽のごとくまぶしいのが牧野光輝。冗談交じりに話しかけてきたクールなやつは粟野潤。どちらもスクールカースト的にはトップにいる存在だ。


「今日は何が見えた?」


 明るく牧野が聞いてくる。


「お前らの息あったコンビネーションが見れたよ。粟野の正確なパスからの牧野のダイレクトは完ぺきだったな。」

「おっ、あれを見ていたのか。あれは確かに完ぺきだったな。」

「だな!次もカッコいいの見せてやっから、必ず見ろよな!」

「あぁ。楽しみにしてる。」


 そういって、手を振りながら二人は教室から出ていった。爽やかな二人の風が抜けていった。あぁ、今日も教室は平和だ。


「やっほー!、あれ、まだ設楽っちいたの?」

「あら設楽君、こんばんは。」


 今度は二人の女子がお見えになった。

 金髪のいかにもギャルっぽいのは、本城紗月。とても明るく、彼女もまた、スクールカースト的にみればトップだ。ただ、性格はとても優しく誰とでも仲良くなろうとするせいか、童貞には厳しい相手だ。本人に悪気はないんだろうが。

 そしてもう一人は、南谷楓。生徒会副会長兼うちのクラスの委員長でもある。その性格は朗らかで、みんなのお姉さんのようなやつだ。メガネがチャームポイントと自負するほど、すごくメガネの似合うやつだ。


「お二人さん、いつも一緒だな。仲良いんだな。」

「そりゃあね!長い付き合いですから!。


 二人はこんな両極端に違うのに幼馴染だというから驚きだ。


「っで、今日は何をしてたんだ?」

「今日は紗月に、絵のモデルになってもらっていたの。紗月、スタイル良いから。」

「えぇー!楓の方がスタイル良いじゃん!うちなんてお肉だらけだよ…。」


 たしかに、どちらかというと楓さんの方がスタイルは良い。紗月もスタイルは良いのだが、どちらかと言うと健康体という感じが否めない。


「何を言っているの。男子っていうのはそういうのに惹かれるんだから。あなたの武器よ。」

「ちょっとさりげバカにしてない?!」


 見ててほっこりするなこいつらは。


「じゃあ設楽君、また。」

「じゃあねぇ!」


 俺は静かに微笑みながら彼女たちの後姿に手を振る。優しい二人の風が抜けていった。

 

 さて、俺もそろそろ帰るとするか。もうすっかり暗くなってしまった。帰る前に一仕事がある。俺は、理科準備室に向かった。

ドアを開けるとそこにはクリーム色のロングヘア―を持つ小柄な少女と、短い茶色の髪が特徴的な目のくりくりした少女が立っていた。


「やぁ少年、今日もお勤めご苦労様だね。」

「あ、お兄ちゃん!」


 この小柄で特徴的なしゃべりをする少女の名は岡崎理美。俺の一個上の先輩で、科学部の部長である。

そして、茶色の髪と透き通ったブルーの目が特徴的な少女は一個下の幼馴染の星山水樹だ。お兄ちゃんと呼んでくるほど、なぜか俺に懐いている。


「今日はなんの実験したんだ。」

「今日はね、iPS細胞のね」


 もう嫌な予感しかしなかった。


「理美先輩、こいつになにやらせてんですか。」

「いやいや、少年。水樹はセンスがいいからつい色々なことをやらせてしまうのだよ。」

「いやいや、先輩。もう高校生のやる範疇を越してるでしょうに。」

「そんなことは無いよ。常に進化し続けるならば、他の人とは違うことをしていかなければならないよ。しかも早め早めにね。」


 なんという全く筋の通っていないセリフなんだ。


「まぁ良いです。さ、とっとと帰りましょう。下校時刻過ぎてますから。」

「そうだね、急がねばならないね。」

「あ、まだかたずけ全然終わってないよ。」

「それは明日朝片づければ良いだろ。」

「そういうわけにはいかないのだよ。これ、危険な薬物だからね。朝になって無くなってたなんてことになったら大ごとだよ。」


 その後、片づけの手伝いをさせられた挙句、一時間も下校が遅れたことにより待ち構えていた生活主任に叱られたのは言うまでもない。理不尽だ。


 そして二人と別れた後、俺は一人歩いて家へと向かった。そこで、今日一日を振り返ってみる。今日は六人の人間と会話をした。放課後の人数しかいないだって?お前、今日人と会話したのなんて家族以外放課後の六人だけだぞ。放課後までは誰とも話さず、窓から景色を眺めてただけだからな。

 

 繰り返しにはなるが、俺はいじめられているわけでもないしぼっちってわけでもない。ただ、窓側の席で座っているだけだ。周りのやつには、不思議なやつだという認識しかないのだ。別段嫌われているわけでもない。

 

 だからこそ、この場所、この学校の居心地がいいのだ。そして、毎日変わっていく日常をただ眺め続けているのだ。


 まぁ、そんな当たり前だった日常も、当然ながら自分だけ変化しないというのもあるわけがなく、少しずつ変化していくのだった。まぁ、崩れていくとかそういう不穏な空気が流れるようなことではないから安心したまえ。


 こんにちは、こんばんは。星岳斗です。初めましてだと思います。思いたいです。知り合いが読んでるなんぞ想像したら血の気が引いてしまいます。さて、プロローグですがいかがだったでしょうか。少しでも自分の学生時代を思い返してくれれば幸いです。こんな人に恵まれた環境じゃなかった?これはフィクションですから。少しぐらい、物語くらいは良い妄想させてくださいよ。

 まぁ、この作品続けていこうとは思いますが、なにせ何となく暇だったし、授業中にラノベなんて読んでたら周りの目が怖くて怖くて。じゃあ自分で書くかということで書いているので書くペースは気分次第です。小説書く方がハードル高いって?まぁ、スマホでたいていは書く予定だし、ただスマホいじっているやつにしか見えないでしょうきっと。

 それでは、またいずれ次の投稿でお会いしましょう。近いうちに出すと思いますが。


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