空っぽな僕の声は誰にも届かない【200文字短編】
空っぽ。
なにもない。
なんにも残っちゃいない。
僕は周りの雰囲気を入れるだけの、ただの器。
観客の望むピエロを演じているだけ……
【嗚呼】
愛されたい。
自由に笑いたい。
喜びを分かち合える友達がほしい。
そんな思いを抱いていた時期もあった。
【苦しい】
何で僕だけこんな目にあっているんだと、
哀しみから涙を流したこともあった。
余りの屈辱に、
全てを忘れたこともあった。
ただ、僕には、思いも、涙も、
残っていない。
【助けて】
ただ話を聞いてあげるだけで
救われる人もいるんです。