水に生息する人食い怪物
「ここ……ヤバくない?」
「どうして」
私、水島ルイ子と、友人の4人組と留学生2人と一緒に、何年か前に潰れた廃遊園地・裏野ドリームランドへとやってきた。
実に昔遊んでいた遊園地に来るのは小学校卒業した以来だ。
「噂じゃあ聞いた事があるけど、ここ昔、何人か何十人以上の少女がいなくなったて聞いたけど……知っているの?」
メガネを掛けたポニーテールの少女、佐山美智子は、テンプルをクイッとしながら、インテリな性格になる。
「それに通っている女学園の生徒も含めて」
次に小柄なサイドツインテールをした少女の野田千鶴は、舌をベローと出しながら、ウキウキしていた。
私達が通っている四葉女学園では、卒業したOBの先輩から聞いた話によると、ここ数年、なん百人以上の少女がいなくなるといううわさが伝わっていた。
「それってどういうこと?」
その台詞に気になった黒髪ロングの女子生徒が謎めいた顔で、頭を抱える。
「何人かの女子生徒達が、潰れる前に少女が消える噂が絶えないのよ?」
「少女が消える?」
「知らないの朝倉さん?」
黒髪ロングをした同じクラスメイト女子の朝倉洋子は、よく平凡でいられるわね。彼女は同じクラスメイトでおぼろげな癖で、よく先生に説教されない仕草だよ。
「ここ、裏野ドリームランドでは、行方不明になった人がいるでしょう? でも……私と同じ年代の女の子が消えるアトラクションがあるの」
「アトラクション……ソレッテドコデスカー?」
「オシエテーナー?」
すると、後ろにいる外国人留学生の二人組が、気になる目で見るように、そわそわする。
一人目は、金髪ポニーテールのそばかすをした白人少女のリンダと、大きい眼鏡を掛けた団子頭をした黒人少女のマリーだ。彼女ら二人は昔馴染みで、よく一緒に行動している。
「それはだね、アクアツアーには怪獣が住み着いているの」
「「「「怪獣?」」」」
「裏野ドリームランドにあるアクアツアーには、怪獣が住み着いているの?」
「どうして?」
「聞いた話によると、この土地は元々怪獣の住処だったのよ、若い娘たちを攫って食べてたの」
「怖ーい!」
「聞いてないよー!」
裏野市でそんな伝説があったなんて、聞いた事もないよ。
「その巫女様が怪獣を祠に封印して、二度と起きないようにしていたのよ」
「そう……」
「ところが、裏野ドリームランドの建設でその祠が壊れて、封印を解除しちゃったんだよ」
「ソレデ……ドウシテあくあつあーナノデスカ?」
「怪獣は水の生き物で、水で生きていけないとだめなの」
水生物だと、海か川で生息していたのかな?
日本の未確認生物(UMĄ)で知られる、屈斜路湖のクッシー、本栖湖のモッシー、池田湖のイッシーみたいな恐竜と類似じゃない。
「まさか、封印を解除した水の怪獣は、その水がたくさん溢れているアクアツアーで、少女たちを食べていたの?」
「そうかもしれないね」
「ジャア、ハヤクイキマショウ」
「レッツゴーです!」
「二人とも待ってー! 置いてかないでよー!」
外国人女子の二人組は、人差し指を刺して、アクアツアーの方へと、アスリート走りのようにダッシュしてアクアツアーに駆けつけた。千鶴は焦って二人を追いかける。
残された私と洋子は、アリのように遠く感じる三人を眺めていた。
「水野さん、行きましょう」
「わかった」
私達も急いで、三人の後を助走する。
アクアツアーの乗り場へ辿り着いた私と洋子は、息を吐くように胸に当てて、呼吸を整える。
「ハアハア……三人ともどこ行ったのよ」
「運動力抜群ですね」
あの三人は、元々体育系で、陸上部に所属していて、100メートル走も10秒で観測した。スポーツに興味ない私と洋子は、運動音痴でよく笑われたっけ。
「三人は何処へ行ったのかな?」
「そういえば」
アクアツアーの乗り場の中には、美智子とリンダやマリーの姿が見当たらない。
先に着いた頃なのに、まさかアクアツアーで見当たらないとは、周囲をしばらく捜索しようとしたところ。
「水島さん! 来てください」
突然、船乗り場の近くにいる洋子が、慌てて声を掛けて来た。
「どうしたの?」
「水が……流れている!」
「えっ!?」
私は急いで乗り場のある方へ行ってみると、目の前には……水の流れる音が聞こえて来た。
「どうして川が?」
「わからない。閉園になって何も使われていないのに?」
何も使われていないはずなのに、水がたくさん溢れている川が
「見て! アッチになにが」
「アレは!?」
アッチから閃光みたいな丸いのがコッチに向かってくる。ドンドンと乗り場の方へ近づいてきた。見えて来たのは、ライトを点灯したおんぼろの使われていないはずの一隻の船がやってきた。
「どうして船が?」
「まさか……三人は先に来た船に乗って」
「まさか……そんな馬鹿なー」
キャアアアアアアア!!!!!!!
「「!?」」
その時! アッチから断末魔のような悲鳴が聞こえた。
「この声って……」
「三人の声じゃない?」
つまり、アクアツアーの船探検ツアーに、まさかいなくなった原因は、他の船で川で冒険したかもしれない。三人の身に何が……
「一体何が」
「まさか……」
「行きましょう」
「わかったわ。早速船に乗りましょう」
「うん!」
私と洋子は、船に乗船して三人を助けに向かった。
船は私達が乗船した直後、急に動き出した。
「動いたわ!」
「何があるんだね?」
「アクアツアーってこんなに楽しいね」
「遊びに来たわけじゃないでしょう」
私と洋子は、アク千鶴とリンダとマリーの三人を助けに向かった。
自然囲まれた森林や山脈などの世界な風景に造形されていて、まさに船ツアーに参加しているみたい。
けれど、この先に何か秘密を隠されているし、三人の安否が気になる。
「でも……このアクアツアーで行方不明になった原因があるの?」
「どういうこと?」
「水の中で生息するっていうでしょう」
「それがどうしたの?」
「さっきいなくなった少女の友人に聞いたんだ。後から船にのった少女にいたのは、殆ど若い女性なの」
「えっ?」
アクアツアーで船が戻ってこなかった人間が若い女性、確かにアクアツアーで行方不明になって戻ってきていない。
係員が捜索に入ったところ、水を確かめて引いた直後、船の破片らしいものがあった。
それが使用されて行方不明になった少女たちあ乗船した船だとわかった。
「船の破片が見つかるなら、ニュースで騒ぎになるじゃない? どうして警察が捜索したじゃないの?」
「それが……見つからなかったの」
「なんで」
「死体が一つも」
警察は捜査を開始したが、ところが、少女の死体がどこにも見つからず、警察は失踪扱いにされてしまった。
「じゃあどうして?」
「言ったでしょう。怪獣が食べたんでしょう」
「怪獣?」
「そう……船を襲って少女たちを全員食べられたって」
洋子が話によると、このアクアツアーの噂には、怪獣が見えないところで潜んでいると伝えている。
あの怪獣は人気のないところで、別のところで誘い込み、その身の毛もない場所で、少女たちは全員……怪物の餌食にされてしまう。
少女たちを水の中で上がり込んで丸呑みし、
または逃げ出した少女を口を一瞬で丸呑みをする瞬間を働いた。
捕食した直後、数時間で未消化物の少女の骨を履き出す。
「怖いね……」
「そんな訳ないでしょう……アレ?」
水の中を見てみると、何やら怪物みたいな黒い影が見えた気がする。
「どうしたの?」
「何かいる?」
「え?」
私は気になってもう一度、川の水を確認したが、黒い影など何処にも見当たらなかった。
「変ね? 確かに黒い影が見えた気がした。ねえ洋子ー」
私は洋子にもう一度話しかけると、そこに衝撃的な目を目撃して、声があまり出なかった。
大きな口を見開いて、洋子を捕食する化け物の姿が……
「キャアアアア!!!」
洋子は一瞬で、船事半分に怪物に捕食されてしまい、乗っていた船が砕くように沈没してしまう。
「プハーッ!?」
私は急いで水に上がり、船の破片らしい物にしがみつく。
「アレ……怪物……」
私が目にしたあの怪物は……行方不明になった少女たちを食べていたのか。
「洋子……死んじゃった……」
一緒にいた洋子が捕食される瞬間を目の前に……。まさか私も食べられるかもしれない。私は急いで怪物に襲われないように、何処かの陸地に上がった。
「それに……ここは何処?」
私は泳ぎながら陸に上がろうとしたら、突然、水しぶきが溢れ、また怪物が私を食べようと、水上して来た。
「イヤアアア――――! また来たー!」
私は慌てて陸地まで必死に泳ぎ、怪物は諦めもせずに、私の後を追いかけて来た。勢いよく水中に潜り込み、まさか真上に私を食べようとするつもりなの。
(もう……もうすぐ……陸に着く……)
板に張り付きながら陸の岸にたどり着く。これで助かったと思いきや。
ザバーン!
突然、私が陸に上がって、身体がガクンとバランスが崩れ、倒れ込んでしまう。
「アレ……」
右足から何か痛みを感じてしまい、振り向くと驚きの衝撃を目にする。
「足がない……」
そう……私の右足がなくなっていた。出血が酷く、水に上がる怪物の口から、自分の足らしい物を喰わえている。
「キャアアアアアア! 痛い――――!」
私は衝撃的に痛みを感じ、喰い千切れた右足の流血を、手で出血を抑えたが、しかも痛みで死ぬかもしれないかと思い込み、私は急いで逃げ出さないといけない。
「ここから逃げないと……それに……ここは何処……?」
顔から涙を流しながら、この痛みを耐えなければならない。草に落ちてある木の棒を杖代わりにして立ち上がる。この辺りはアトラクション内、出口らしい場所を探したが、森の中へと入った。
「何処なのここ……」
まるで本物に出来た盛じゃない。普通の虫や、湿った土ばかりじゃない。
「もう……ダメ」
体力が限界に陥った私は、もうだめかもしれないとあきらめかけたが。
「アレ……ここって」
私が目にしたのは、人気のない洞窟を発見した。
ここにもアクアツアーのアトラクションの一つじゃないかな。
「もしかしたら、逃げられるかもしれない。助かったー!」
私は歓喜しながら叫び、あの怪物に襲われずに済む。
「早くここから出ないと……」
木の棒を突きながら、私は必死でその洞窟の方へ入って行った。
「随分と暗い……」
洞窟に入った直後、辺りは漆黒の闇に包まれて何も見えない。
「何処に行けばいいのか、暗くて何も見えない
右か左なのか方向が分からない。本当にこの道で合っているの。
そう考えながら、私は急いで出口へと探した。すると、何かに踏まれ、石みたいな感触で砂みたいに崩れている。
「草とか砂で固まった石かな?」
私は少し気味が悪く、アクアツアーのアトラクションの洞窟があるのは、点検工事を行うために、係員スタッフの出入り口かもしれない。
しばらく歩いてみると、あそこから明かりみたいな物が照らしていた。
(出口……助かった!)
出口に辿り着いたかもしれない。私は慌てて光のある穴の方へ向かうように走る。
その出入りの穴に段々と近づいて来た。もうすぐ助かるかもしれない。私は穴の
「キャア!?」
私は足に丸い石みたいなのを躓き、穴に入った直後にボールのように転んでしまう。
「痛い! 何なのよ」
私は地面に擦りむいて起き上がろうとしたら、私は恐ろしい物を目にした。
「えっ……? 白い石……じゃない?」
その丸い石は白くて、しかもツルツルしている。私は逆の向いたら……
「えっ……骨!?」
そう……これはタダの石ではなくて、白い人間の頭蓋骨だ。
「イヤー!」
私はその頭蓋骨を手放すように投げ出す。慌てながら辺りを見渡すと……
「何アレ! 骨の山!?」
地面から転がっている骨の山がたくさんあった。数十……数百……数千人の骨が地面に転がっていた。
「ひょっとして……アクアツアーで行方不明になった少女たち!?」
まさか……アクアツアーで遭難して姿を消した少女たちの変わり果てた姿。
(おそらく……アクアツアーの探検中に怪物に餌食にされて、この洞窟で、消化できない骨を、ここで吐き出したかも、まさか)
すると、大きな暗い影らしき物が出て来た。
「まさか……」
私は恐る恐るにして……後ろを振り向いた。
そう……目の前には……トカゲらしい生物が私を睨むようにコッチに見ている。
『ガ―――』
怪物は大きな口を大きく開けて、ゲロを吐くように骨を吐き出した。
そう……4体の骸骨が地面に転がり、バラバラになってしまう。私の知る仲間の骨を……。
「ヒ……イヤ……」
腰を抜かした状態で、私は身動きを取れなかった。
怪物は……もう一度口を開いた。
「イヤ―――!!」
カブリ!
私は……アクアツアーの怪物に食べられて……死んでしまった。




