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骸旅  作者: 眠維ノヨ
第ニ章 骸と少女
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第20話「情報整理」

 偶然辿り着いた辺境の地の小さな村で、三人は村人たちから王都に関する情報を集めた後に、村で誰も住んでいない古びた家で束の間の休息をとっていた。


「まさか古家で寝泊まりできるなんて運が良かったですね。ここの村人が優しくて助かりましたよ」


「外から来た私達を歓迎する、とまではいかないにしても雨風をしのげるのは有難いですよね」


 少ない荷物を運び置き寝支度をする三人は今日の出来事を振り返りつつ、雑談に花を咲かせていた。

 最初に村人の老人からこの村の周辺から近辺に位置する街についての情報を得ることに成功したのだ。


 ムクロとしてはこの国の女王であるアリステラならば、誰よりも自国であるカルバニル王国について詳しいだろうと考えていたのだが、当人曰く「自国だからといって何でも知っているわけではないのですよ」と、方を膨らませた彼女から言われたのである。


 その意見は確かに筋が通っていた。

 なにせムクロが日本人として地球で生きていた頃、詳しい知識があるとすれば仕事に関するジャンルと自身が住む地域の周辺程度だったからである。


 別に日本人だからといって日本に詳しいわけではない。それこそ生きている間に全ての都道府県を訪れる者など一握りしかいないであろう。大抵の人は知識はあっても経験がない場合が多い。

 だからこそ彼女の意見はすんなりと受け入れることができたのだ。


「おい二人よ、寝る前に確認しておきたいことがある」


 古びた木のドアがゆっくりと軋む音を立て開いていく。その向こうから来た人物は青い瞳と綺麗な黒髪が特徴的なモルセラであった。


「お疲れ様です、モルセラさん。確認したいことというのはもしかして」


「……村人から聞いた王都壊滅の件についてですね」


「その通りだ。ここは辺境の地のせいか情報が届くのが遅いのであろう。しかし問題はそこではない」


 そう、問題は別にあるのだ。

 まだ三人がこの古家に案内される前の話、一人の老婆から聞いた情報が三人を大いに動揺させた。


『なんでも今まで聞いたことのない組織が王都を襲撃したらしい』という内容だった。


 この内容に最も強く反応したのはアリステラであった。村人の前では平然を装っていたのだが三人きりの状況になった途端、道端に座り過呼吸気味となってしまったのだ。

 おそらく王城での件を思い出しフラッシュバックを起こしたのだろうと予想したムクロは、彼女が落ち着くまでモルセラと見守ることにした。

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