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骸旅  作者: 眠維ノヨ
第ニ章 骸と少女
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第16話「到着と騒動」

何気に投稿を忘れていました……申し訳ありません。今後は少しずつ投稿しますので、暇潰し程度に読んでいただけると嬉しいです。

 皆さん、唐突ですが空に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか?


 晴れ晴れとした青空、雲行きが怪しい雨通り、激しい雨音と轟く雷雲。


 様々な例え方があるでしょう。


 では皆さん、少し想像力を働かせてみましょう。今日の貴方は特にする事がなく、久々に近所を散歩することにしました。


 ふと空を見上げると、何やら巨大な何かの影が雲の中を泳いでいます。


 大抵の人なら鳥や飛行機等を連想するでしょう。しかしその考え方は地球・・に住んでいる人だからこそ、と言えるかもしれません。


 もし全くの別世界で、それを目撃した人々がいたとすれば、彼らはどのような反応をするのでしょうか?


 実際に確かめてみましょう。



◇◆◇



 非常に渋い顔をしている一人の骸がいた。

 彼の名前はムクロ、骸骨である。


 骸のムクロ……別にダジャレを狙った訳ではない。しかしその名前には海よりも深く、山よりも高い理由があるのだが、そんな事は置いといて。


 現在彼はとある大陸にいる。

 森で出会った少女アリステラの故郷である国の王都を目指し、モルセラの背に乗せてもらい目的地である国への上陸を果たしたのだが……


「ここ、さっきも通ったような気がしますね……」

「やはりそう思うか、少女よ」

「二人とも、これはあれだね、あれだよね?」


 そう、三人は絶賛迷子中であった。

 というか遭難中である。


「ムクロよ、森に着陸したのは間違いだったかもしれんな」

「そんなことは無いですよ。なるべく人のいないところを選んだ理由は、モルセラさんの姿を現地民に見られないようにするためなんですから」


 実は大陸に到着した際、近くに町があったのだかムクロは空からドラゴンが降りてきたら人々は突然の事態に困惑し騒動が起きるのではないかと考えたからだ。


 アリステラ曰く『ドラゴンは神話の生き物とされていて、現在生存が確認されているドラゴンは指で数えられる程』らしい。


 つまりモルセラの存在はある意味世界を揺るがす可能性があるとムクロは予想した。現に竜の姿に戻ったモルセラを見たときのアリステラの興奮振りは尋常ではなかった。彼女が元々探究心と知識欲が強かったからこそ、という理由もあったが。


 ムクロはこの世界の事をまだ何も知らない。

 だからこそ、日本にいた頃の常識や基準で物事を考える訳にはいかないのだ。


 もしアリステラを無事に王都まで送り届ければ旅は終了、その後は彼女自身が自分で好きなように行動するだろう。


 全てを終えた時は、ムクロは一人気ままにこの世界を旅するつもりなのだ。寿命が定かではない彼にとっては、終わりなき旅となるだろう。


 それでもこうしてアリステラの事情を知り、親しくなった身としては問題を解決しない訳にはいかない。例え面倒だとしても、ムクロもモルセラも彼女を途中で見捨てるという選択肢はないのだ。



 しかし早速問題に直面していた。

 町から数キロほど海岸沿いに飛び広大な森に降りた彼らだったが、周りにあるのは巨木ばかり。

 似たような光景が果てしなく続いている為、三人は森で遭難してしまったのだ。



「やはり我がひとっ飛びして移動した方が早いのではないか?」

「その方が楽なのは当然ですが、俺たちはなるべく目立たずに行動するのが目標です。アリステラさんを襲った組織が何処に潜んでいるかもわかりませんからね」

「ムクロさん……そこまで配慮なさっていたとは……」


 二人からしたらムクロは慎重に慎重を重ねて行動しているように見えたが、実際はムクロがトラブルを避ける為に極力派手な移動方法を控えているだけなのだ。


「この森がどれほど広いのかはわかりませんが、とりあえず歩き続けましょう。最悪の場合はモルセラさんに活躍してもらう事になりますので、その時はお願いしますね」

「極力相手を傷付けずに無力化すればいいのだな?」


 その通り、とモルセラを褒めつつ歩く一行。

 飽きが来ないよう雑談を交え、日が暮れるまで見えない森の境を目指し続けた。

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