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プレゼントのお返しは…

作者: 神名代洸
掲載日:2016/12/30

僕は37歳。

いい歳した大人である。

でも、追っかけはやめられない。

そんな僕が体験した怖い話を聞かせてあげよう。


そう、あれは…。



一年前の今日、彼女が誕生日だと言うので似合いそうな…う〜ん、そう、ネックレスを買おうとショッピングセンターに足を運んでいた。

宝石店の店員はあれやこれやと言ってきたが、僕が思う彼女に会うネックレスは見つからなかった。

雑貨屋に入った時、そう…これと言うネックレスに出会った。ちょっと変わってはいるが、小さなハートの形をした可愛らしいものだ。ソッコーで買ったよ。値段は…まぁ、そこそこかな?店員はささっと袋に入れて渡してくれた。

?その時何か聞いた気がした。

気のせいか?

まぁ、そんなことはいいや。

彼女にいつ渡そうかと考えてたら会場に来てしまっていた。

彼女とは言っても本当の彼女じゃない。いわゆる追っかけの一ファンなだけ。

相手にもしてもらえないことはわかりきっている。それでも渡したかった。

可愛くラッピングされたそれはもらう側にも結構気に入ってもらえるようにされている。

ミニコンサートが開催され、最後の握手会の時間となった。

僕はドキドキしながら順番を待った。

そしてようやく僕の番がやって来た。

あらかじめ手に持っていたそれを彼女に渡しながら握手した。

「頑張ってください。」

それだけしかいう時間は取れなかった。

握手会が終わると皆バラバラになり、しばらくはおめあてのアイドルが出てくるのかを見張るのである。そこにサングラスをかけた見知らぬ男性が現れ、僕に小さな包みを渡した。いったいなんなのかわからずに受け取ってしまった僕だったが、もらってしまったものを突っ返すわけにもいかず、袋の中身を開いて見た。そこにあったのは…僕が渡したはずのネックレスだった。そしてもう1つ入っていたのがこれだ。

小さな人形だった。

お世辞にも可愛いとは言えないそれを受け取ってしまったが、大好きな彼女からのプレゼントと思うと捨てられない。

しかし、その時から僕の周りでおかしなことが起きるようになったのだ。


部屋の物が動いたり、人形が傾いたり…。

正直気味が悪い。

仕方がないので、一度ビデオカメラをセットして部屋の中を録画撮りすることに。

もちろん自分がいない時にである。

2時間ほど留守にして戻って来た時も部屋の中が何かおかしい気がしてならなかった。

録画撮りしたビデオカメラを巻き戻して見てみることに。

はじめは特に何も変わったようなものはなかった。そう、はじめは…。

それがおかしいと思ったのは30分程たった頃から。タンスに置かれていた時計が止まり、もらった人形が動き始める。

瞬間走ったかのようにサッと動き、別の場所へと移動する。

そしてまた戻って来て時計の針が動き出す。


「怖い。」


正直そう思った。

僕は一体なんてものをもらってしまったんだ?彼女は一体何の目的で僕にこの人形を渡したのか。

同じ目にあっていたからか?

僕以外にもファンは大勢いる。それなのにどうして?

物を渡したからか?

僕以外にはそんなことする人間はいなかったのか?

それとも…。

恐怖が僕を支配して何も考えられなくなった。

次の握手会があるのは何ヶ月もあとだ。送りつけようと思った。

ファンクラブに入っているからそこに送ろうと色々必要なものを買って来た。

そしてこちらの住所は書かずにファンクラブの宛先を書いた。郵便局に持って行き発送した。これでもう怖い思いをする心配はないだろう。ホッとした。


それから数日後、彼女が事故にあったとテレビのニュースで流れた。

あの人形のせいなのかはわからない。わからないが、そんな気がしてならない。


あれから握手会には行かなくなった。

また何か渡されるのが怖かったからだ。

また不気味なものだったらと思うと震えが走る。



僕の方はあの人形がなくなったお陰か怖い目には合わなくなった。

あの人形は今どこにあるのだろう…。

気にはなるが欲しくはない代物だ。

誰かが供養してくれることを願う。

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