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9(グロ注意)

文はそんなにグロくはないけど、場面がグロいので注意

 谷崎が先程『ケーキ狩り』にかけたモノとは、何のことはない『ケーキ』の血液である。

(『ケーキ』の血液ぶっかけたら、すぐに味わえるそっちに気を取られて逃げ出せたって思ったんだけど......)

 頭を捻りながら谷崎は壬生についていく。壬生におびき出されているのかもしれないが、もしもそれならまだ残りの血液パックが残っている。谷崎は注意しながらも少しだけ面白がるような気持ちでいた。

「......なぁ谷崎、山羊を使った拷問って知ってるか?」

 先導する壬生が谷崎に聞く。

「? どんなの? ......ですか?」

 学年が一つ上である相手に、大学一年(休みがちだが)である谷崎は取ってつけたような敬語で相づちを打った。

「固定されて逃げられない相手の足裏に塩水を塗って、山羊を放つ。山羊は塩分が欲しくて足裏を舐め続ける」

「......」

「舐められている犠牲者の足裏はやがて、皮膚が破けて血が流れ出す。しかし山羊は止まらない。塩水も血液も山羊にとっては同じものだから。犠牲者の肉が削れても、骨が見えても山羊は押さえるまで止まらない......」

「......うええ」

 気持ち悪い......

 何だか生臭いような、鉄臭い臭いもしてきたような気がして、 谷崎は心の中で舌を出した。

 そんな彼の様子を知ってか知らずか、壬生はそのまま話を続ける。

「舌というのは味を感じる器官っていうだけじゃない。食べられるモノを削り取って体内に取り込む......動物に依っては歯の代わり、人間にとっても同様だ......舐め取れるのはクリームだけじゃない」

「......」

「『フォーク』は理性を飛ばし易い。興奮状態ならなおさら止まらない。そんな奴らにそうすれば、こうなることくらい気づいていたんじゃないか?」

 そう言って壬生は立ち止まり、腕を振って掴んでいた谷崎をいきなり前に突き出した。

 勢い余ってたたらを踏んだ谷崎は、ずるりと足が滑る感触を得る。

 尻餅を着いた谷崎が地面を探って掴んだモノを見ると、それは人間の足みたいなモノで。

「うわっ!?」

 反射的にソレを放り投げて立ち上がった谷崎の、ズボンの尻は粘度の高い何かで濡れている。

 嫌な予感がしていたが、谷崎は薄暗い路地を手持ちのスマホのバックライトで照らして見た━━

 そこにはかなりスプラッタな絵が広がっていた。

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