表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/14

十四

 丸木戸聡規が目を開けると、コンクリ打ちっぱなしの天井が見えた。

 窓を見ると鉄格子。布団の下から床の硬さ。

(......あー、俺留置場で一泊しているんだっけ)

 ぼんやり考えて身を起こし、取り出した着替えは白黒の縞模様。

 着替えて正座しながら待つと、廊下を渡って来た看守が独房の鍵を開けてくれるから大人しく、言われる前に廊下に出る。

 連れていかれる先は食堂。大人しく出てきたプレートを受け取り、丼や皿を載せていく。

 料理を集めたら食卓に向かい、椅子に座って食事を開始。

 丼の中のものを口に入れるとーー甘い。

(......? 何だコレ)

 不思議に思って目を落とす。自分の食べた物を見る。

 丼の中には、どこかで見たことがあるような、人の指が数本入っていた。

(!?)

 箸を取り落としたが体が固まり拾えない。頭の中で勝手に自問自答が始まる。

 自分は一年ほど前から味覚を失っていなかったか?

 いや、通称『おやつ』だけは味わえる。

 じゃあその『おやつ』とは何だった?

 それは......

 自分の目玉がゆっくり動いた。主菜の載った皿を見る。

 そこに載っていたモノは......

『はろーさとちゃん。僕、美味しい?』

 

「うああああああっ!!!???」

 叫びながら身を起こすと、実家から持ってきた扇風機が目に入った。

 アパートの自宅、敷きっぱなしの煎餅布団の上。

 どこを見たって鉄格子も看守も、人の頭が載った皿もない。着ている服は無地のTシャツ。びっしょりと汗に濡れてはいるが、囚人服ではないことが確かだ。

「夢か......」

 そう口に出して自分に言い聞かせ、暴れる心臓を宥めるために深呼吸。5,6回程繰り返し、ようやく立ち上がれる様になった。

 あんな夢を見たのは、間違いなく昨日の出来事の影響だ。

 扇風機の風に当たりながら、丸木戸は昨日の惨劇を思い出していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ