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ベテラン ミーティング

 第一部隊・隊長レイド。

 第二部隊・隊長カミーラ。

 第三部隊・隊長シェーン。

 第四部隊・隊長イオアニス。

 の構成になっています。

 ティテスたち暗殺者は部隊に所属せず。シャーバは策士として後方支援部隊を指揮しています。

 

「今回は、初回からいきなり突然、新人を投入します」


 私の一言で、集まった皆がいっきに目覚めた。


「は?寝ぼけてんのか?」

 一番に反応したのはレイド。彼の頭の回転の速さは私も感嘆しますが、いかんせん。出し惜しみすることろがいただけない。

「寝ぼけているのはあなたでしょう?どいつもこいつも、入ってきて座るなり居眠りし出して・・・」

「ま、まぁ!いいじゃないっすか!ちょっと、疲れてたんすよ」

 舟をこいでいたシェーンは、びくびくしながら弁解する。彼はいつものように、大きめのヘヤバンドで目元を隠している。表情が見えない代わりに、態度は丸わかりですね。

「黙りなさい。仕事疲れなら私だってあります。あなた達のは遊び疲れでしょう」

「俺は仕事疲れだ。もっとも、疲れないことに疲れてるんだが」

「そうですね。ティテス、よくやってくれました。あなたのおかげで彼らの動きが予想し易くなりました」

 暗殺者を統率しているティテスは今回、ヨハネス・ハイネスへの脅しとして主様が投入した部隊です。

 本来、彼らは部隊として機能していないのですが、今回は特別枠として部隊編成をしたので、各部隊に必ず一人は配属させています。

「いいよ。別に。仕事ならやる」

 ティテスは、冷めたところがありますが、冷戦沈着で何事にも動じない。そして、あらかたのことは一人で解決可能なので、部隊所属にしたいところなんですが。本人は、戦場に興味がない様子。

 ・・・失礼。興味がないというよりも、戦場の方が彼本来の力を出して戦い易い能力を有しているのですが。その強すぎる力は、戦場でも一瞬で勝負がついてしまう。

 そのため、彼にはつまらなく感じてしまうのでしょう。

 まぁ。私の作戦には素直に従ってくれるので、問題はないのですが。

「ああ・・・・・・・・・・・・死にたい」

 暗い顔で、いまだに机に突っ伏しているイオアニス(ヤニス)は、暗い声でまた暗いことをつぶやいていますね。

 彼のことは対外無視していれば事足りるのですが、突発的に自殺(吸血鬼のため治ってしまうのですが)を図ろうとするので目を離せません。厄介者ですが、その能力は誰もが認め、誰もが恐れるものなので、私としてはやる気を出して前向きに生きてもらいたいものなのですが。

 ・・・・・・・・・・・・・・・死神に、前向きもないですね。

「まだ、死なないでください。カミーラ、あなたもご苦労様です」

「いいですよ別に。訳ないことです。それよりも作戦指示は主様が出されるのですか。今回の新人導入もシャーバさんが指示したことではないのでしょう」

 息継ぎなしでよくしゃべれますね。

 毎回の疑問を頭の隅に押いやりながら、カミーラは珍しい琥珀色の目を私に向ける。

「ええ。そうですよ。どうやら、新人に経験を積ませるために、今回のニューヨークを舞台として選んだようですね。なので、バックアップはなし(・・)でお願いします」


「ああ。懐かしいっすね。俺っちのときも、いきなり戦争地域に行かせられて、2か月間ぐらい戦わされたっすよ」

「今回はスケールとしては小さいですが、些細なミスが命取りになります。なので、すぐに撤退できる準備を」

 ・・・シェーンの例は例外でしょう。

 私は少なくとも戦場に駆り出されませんでした。

「うん?帰るのか?俺たちが出向けば済む話だろ」

「そうだぜ。新人連中がしくった時のために俺たちがいるんだろ?」

 ティテスとレイドがそろって、疑問の声を上げるのも無理もありません。新人だけに経験を積ませるために、全ての部隊をそろえる必要はない。

 しかし、全ての部隊を揃えなくてはいけなくなってしまったのだから、そういった指示になるのは仕方ありません。

「新人の役目は、搖動です。彼らが主体として戦うことはありません。が。まぁ。どうせ、戦闘になるのでその時は素早く撤退ですね」

「・・・主様が出るのか?」

「その時は、そうですね。主様から直接聞いたわけではないのですが・・・・まぁ、今までの経験上そうですね」


 私の言葉で、みな黙った。


 それはそうでしょうね。

 主様じきじきに戦闘に出るということがどういうことになるのか、身をもってい知ってしまっている。しかも、ここはニューヨーク。

 本来、ファイガさんの縄張りなので、私たちが戦うことは極力避けなくてはいけない。

 だから、主様は今もここにいるのだ。

 

 戦いの行く末を決定するために。


「ファイガさんがいないだけマシですよ」

「・・・そりゃそうだが」

 複雑そうな顔をしたまま、解散となった。


 さて、最終確認をしなくては。

 ミーティングに集まったレイドたちは、撤退する際、周りの住人達を避難させるよう全ての部隊に伝えたころだろうか。



 

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