表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

休日、暇な日は

作者: 哀姫

 待ち望んだ、休日がやってきた。

 ――しかし。

「…………暇ぁ……」

 俺はぼんやりとテレビを見つめながら呟いた。

 ここ最近はずっと部活、部活、部活だったので(因みにテニス部だ)。いざ休日、やっと休めるー、などと浮かれていたのはせいぜい朝まで。ゆっくり起床し、ゆっくり着替え、ゆっくりご飯を食べてゆっくり歯磨きをすると。先ほどまで休日の素晴らしさを噛み締めていたのに、途端にやることが消え、逆に戸惑ってしまう。

「暇、暇、暇ぁーッ!」

 コタツの中でごろごろ転がっても、自分の声が虚しく響くだけで、何だか悲しくなる。

 親は休日出勤。妹は友達の家に遊びに行っている。俺だけが、こんな広い家に一人きり。

 や、別に俺の家は金持ちではない。よって、特に家が広い訳でもなく、ごくごく一般的な家の広さである。それでも、一人きりになると急に、家が広く感じるのだ。ようは、気持ちの持ちようってことか?

「……テニス、してぇー」

 普段ならキツイ部活をやりたいとは思わない。というか、大抵の人はそうなんじゃないか? 俺の場合で言うと、テニスは大好きだが、部活は好きではない、といった具合に。

「あー、テニスしてぇッ!」

 しかし、家にテニスコートがあるはずもなく(あったとしても今は冬だから使えない)。かと言って、今からテニスコート(体育館)を予約する時間も金もない。

 結局のところ、つまりは家でじっとしていなければいけないということだ。

「……あーあ、筋トレでもすっかな」

 そう呟いて俺はおもむろに立ち上がると、コタツの隣りで、まずは腹筋から始めることにした。

 ――しかし。

「こんな絨緞の上、しかも私服で筋トレが出来るかー!!」

 思わず自分にツッコミ。

 もう、自分の馬鹿さ加減もここまで来てしまうと。

 ……溜め息しか出ない。

「あー、暇ッ、暇ッ、暇だぁッ!」

 暇も俺の中でピークに達し。誰もいないにも関わらず一人で叫び始めた。虚しく響くその余韻を打ち消したくて、更に叫ぶ。

 ……俺って実は結構、寂しがり?

 何て。虫唾が走るようなことを考えてる間も俺は一人で暴走する。


 ――刹那。

「ただいまー」

 帰ってきたのは、妹。疲れたような、満足したような表情をしながら、靴を脱ぐ。

「夢ッ! 俺の相手になれー!」

「は!? ちょ、ちょっと兄チャン、何よいきなり!」

 俺はすぅ、と息を吸うと、妹が友達から借りてきた(と思われる)DVDを指差して叫んだ。

 どうでもいいが、俺はさっきから叫んでばかりじゃないか?

 まあ、いいか。


「映画鑑賞会だッ!!」


 ……何だか、妹のあからさまな溜め息が聞こえた気がするが、聞こえなかったことにしておこう。

 本当は俺だって、自分自身に、これでもなというほど。

 ――呆れているのだから。

結局何を伝えたかったんだ!というような話になってしまいましたが、ほのぼのに挑戦してみたかったので。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ノリがよく、サクッと読めました。 ただ、あとがきの通り何もない印象を受け、刹那などの言い回しも、体育会系の男の子っぽくなくて浮いていて、ノリがよい分残念でした。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ