信じる
私はこの人もどうせ自分を優先すると考えていた。人間は自分の身に危険が起きると自分を優先してしまう。だから、どうしてもこの人を信じられなかった。地下への階段に入り、この人は前を歩いた。信用してもらうためだろうか。
「僕は逸実のこと頼ってるんだよ?」
きっと何かあったときは全部任せる、そういうことだろう。私はそう考えていた。
地下室に入り、私は少しだけ警戒心を持った。何かが動いている音がしたため、何かがいることは分かった。しかしそれが具体的にどこにいるかはわからなかった。何か聞こうとしたのか、二篠さんがこちらに振り向いた、がすぐさま焦った顔でこちらに動き、私が反応する前に突き飛ばされた。私がいたところを、突き飛ばされながら見ると、私がいた場所に二篠さんがこちらを突き飛ばした姿勢でいて、その頭上によく見えないが、でかい何かがいた。そしてその何かは二篠さんをそのまま一口で飲み込んだ。
私は困惑した。なんで庇った?なんで私なんかを?私なんかのために命を懸けて守ったの?この人なら一人でもこの程度のモンスター倒せただろうに。私を囮にすれば簡単に倒せただろうに。まさか本当に全力でサポートしたというの?そう考えていると、そのでかい何かは苦しんでいた。口の中が動いている。あの人が足搔いているのか。しかし、かなり抵抗しているようだが、出れる気配がない。今の二篠さんでは倒せない?。ならあの人より火力が高い私がやるしかないのか?けれど、斬ってしまうとあの人も斬ってしまうのではないか。
「僕は回復魔法もあるから盾にもなれるよ」
その言葉を信じていいのか。信じていいなら、あの人ごと斬ってもいい。
「僕は全力でサポートするからな?」
その言葉は本当だった。なら信じていいのか?私の決断は・・・
一気に食べられた僕はそのまま食われて死んでしまう、そんな死に方をするわけはなかった。僕は食べられた中で足掻いた。本当は転送魔法が使えればよかったのだが、この化け物の中では思うように動けないため、使うことが難しかった。そこで僕は魔法を乱射して、とにかく中から攻撃した。あわよくば、この攻撃で吐いてくれたらありがたいが、そんな都合よくいくわけもなかった。どんなに攻撃しても、吐き出す様子はなかった。この口の中で魔法を多く出したため、体力が怪しい。僕は魔法を使うために体力を使う。そのため無闇に使うと、体力切れを起こす。これ以上魔法を使うと危ない気がする。なので僕は逸実に頼るしかない。逸実のスキル「絶対切断」、それでこの化け物を斬ると僕も斬られるかも知らない。しかし、このままよりかはマシだろう。僕は逸実を信じて、抵抗を続けた。すると、急に息苦しかった状態から開放された、、、。
名前:ニ篠 華
年齢:15才
能力:魔法創造
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名前:又野 逸実
年齢:15
能力:絶対切断
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名前:潜影 登降
年齢:15
能力:???
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名前:天野 光
年齢:15
能力:???
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