自己優先
「そういえば作戦どうする?」
僕はそういえば決めてなかったと気づき、逸実に問いかけた。
「そこまで考える必要ないでしょ、自分の身を一番に考えて戦えばいいと思う。」
本来はそうだ。だって、普通個人で戦うから。しかし、僕たちは違う。つまり、、、
「その場合、ペアの意味なくない?」
ということになるのだ。
「・・・私は他人をあまり信じていないの。人間結局自分がいちばんなんだから。」
「いやそうなのかもしれないけど、、、僕は逸実のこと頼ってたんだよ?」
「あなたなら一人でもいけるでしょ」
「いや、そんなことないぞ?魔法使いすぎると疲れるし。その分なんでも斬れる逸実の方が火力は高いし。」
実際、僕は火力は量でカバーしてるが、使いすぎると体力切れが発生し、隙が大きく生まれる。だから、僕はサポート性能の方が強いのだ。それに、、、
「あと僕は回復魔法もあるから盾にもなれるよ」
「・・・とにかく自己優先で」
「僕は全力でサポートするからな?」
そう話している間に洋館の入り口に辿り着いた。入り口の扉は僕が開けた。さすがに盾にもなるとか言ったのだからこういうのは自分からやらないといけないと思ったからだ。開けるといきなり目の前に2階に繋がるであろう大きな階段があり、また、左右にも廊下が広がっている。本来なら、階段に登ったり、左右の廊下を探索するのだろうが、僕は隠し通路があると考えている。僕はすぐさま魔法を創った。近くの壁や床が透過して見れる魔法だ。これで隠し通路を見つけることができる。
「やっぱ一人でいけるでしょ」
そんなことをボソッと逸実は呟いていたが、気にしないことにした。
逸実が僕より早く歩き始めたため、僕は後ろからサポートすることにした。とは言っても、魔物がそもそも見つからないため、サポートする場面が起きないわけだが。奥の方まで歩いていると、カーペットの下に扉があるのが分かった。その下には階段が下まで続いて、僕の能力の範囲では最深部まで見ることは出来なさそうだ。何があるか分からないため、僕が先に行くことにした。
最初の方は光が届いていたが、少し降りると、もう光が届かなくなった。僕はスマホを取り出して、ライトをつけた。魔法を創るのもありだったが、体力を使うため、楽なスマホにした。それから5分くらい歩いていると目の前に巨大な扉があった。先ほど創った魔法で奥を見たが、暗すぎて何があるかわからなかった。扉を開けると魔法で見た通り真っ暗だった。ただ、地面と擦れている音がする。何かがいることは分かる。僕は何かがいることを後ろにいる逸実も理解しているか確認するため、スマホの光と共に後ろに振り向いた。後ろを向くと、逸実が警戒しながら、持っている刀に手をかけている。しかし、僕は気づいてしまった。その逸実の後ろにうっすらと見えてしまった。先ほどの音の正体であろうデカい怪物がいて、口を開けて逸実の頭を食べようとしていた。それは魔物なのか、なんの種族でランクはどのくらいなのか。そんなことを考える前に僕は体が動き、逸実を力強く突き飛ばし、そのまま怪物に一口で飲み込まれるのであった。
名前:ニ篠 華
年齢:15才
能力:魔法創造
??:???
名前:又野 逸実
年齢:15
能力:絶対切断
??:???
名前:潜影 登降
年齢:15
能力:???
??:???
名前:天野 光
年齢:15
能力:???
??:???