第二話 出逢い
皆さん初めまして、夜桜零と申します( * . .)"
先ずは、数あるものの中から、この小説に出逢って頂きありがとうございます( *´ `)
長編の小説を書くこと自体初めての経験なので、色々といや、沢山至らない所もあると思いますが、皆さんの宇宙と同じくらい広い心で許してくれると嬉しいです。
とりあえず、完結目指して頑張りたいと思います!
作者がヤンデレを描きたいがためだけの小説ですが、最後までお付き合いよろしくお願いします(๑•̀ㅂ•́)و✧
(いやいやいや、聞いてないんですけど。乙女ゲーの世界に転生とか、どっかの娯楽小説か何かですか?違うこれはきっと夢だ、天国に行くまでのちょっとした都合のいい夢。それにしても…)
「推しの幼少期かわい……」
こんなに都合いい夢を見れるなら案外転生ifもいいかもしれないと思えてきた。
アメリアと言う名前からして、私のゲームでの立ち位置はヒロインのお助け役であり、ヒロインがなんでも相談できる数少ない親友ポジションであった……はずだ。
その後あのお茶会を何とか乗り越えて侯爵邸に帰ってきていた私は、真っ白のノートに自分が覚えている限りのゲームの情報を書き出していった。
作品名は『ストロベリー・ナイツ』
多くのプレイヤーからは“いちこい“と呼ばれている乙女ゲームで、キャッチフレーズは“苺のように甘い恋を君と”
魔法の才能をとある貴族に見初められたヒロインが魔法学園に通い始めるところから始まるゲームで、全てのルートを通してとにかく甘いことに定評があり、様々な属性を兼ね備えた攻略対象達が登場する。
・誰にでも優しく一途な生徒会長と見せかけて、実は策士でちょっとドSな第一王子
・勉学への努力を惜しまない、博識でクールなメガネキャラ枠の生徒会副会長
・明るく、素直で、武の道へ突き進むヒロインの親友兼犬系男子なクラスメイト
・気分屋で多くが謎に包まれている、一年生ながらも才能を見せる稀代の最年少魔法使い
この四人に加えて、
・誰よりも冷淡無情で、しかし誰よりも愛されることを望んだ、いちこいの隠しキャラ第二王子
それぞれのイメージカラーが赤、青、緑、黄、黒なことまでは思い出すことができた。
問題なのは名前と容姿である。
いちこいガチ勢だった身からいえば初期のイベントも見逃したくないというのが本音だ。
少々メタイことを言うと、いちこいのゲーム自体はヒロインが16歳。つまりは私が二年生進学と同時に転入してきたところから始まる。だから、魔法使い君以外とは学園に入学したら嫌でも顔を合わすことになるのだ。
しかし、攻略対象の幼少期を一度でいいから見てみたいというのは強欲だろうか?
「絶対にかわいいの渋滞が起きるのが予想できる。願うならば、もっと長くルシアン様と喋りたかったなぁ……」
何気ない気持ちで発したこの一言は、意外と早くに叶うこととなる
***
「アメリア、今日は王城の魔法研究室に用事があるんだ。君もおいで。あのティーパーティーで見せたオルゴールを見せろとせがまれていてね。」
ということがあって、私は今王城の庭園にいる。
というのもオルゴールを見せたあとはこのオルゴールの改良策について、大人たちがあれやこれやと盛り上がっている間に暇を持て余した私はちょっとした出来心から研究室を出てみると案の定、広い王宮の中で迷子になってしまったのである。それでたどり着いたのがこの庭園と言うわけだ。
もちろん少しの罪悪感はあるし、反省もしている。しかしこんなにも豪華なお城に来れたのだから、普通の女の子ならちょっとやそっと探検をしてみたくなると言うのも必然だと思う。
様々な花が咲き乱れる様子は、まさに楽園と表しても過言ではないだろう。赤、白、さらに青色までものバラが太陽に照らされて咲いている。その他にも、今の季節に合った花たちが風に揺られている様子はなんとも形容しがたいほどに美しい。
花たちが風に揺られるのに合わせてオルゴールの音楽を口ずさむ。ふと気持ちの良い風と、なじみのある音楽に心を和ませているこの時間がずっと続けばいいのにと思ってしまう。
と言う願いは簡単には叶うわけはなく、不意に後ろから声をかけられた
「……そこにいるのは誰だ?」
声をかけられた瞬間、ハッと我に返る。普通に考えたら、ここに礼状が1人でいる方がおかしいのだ。どうしようかと思考する間もなく声の主はこちらへ近づいてくる。あとほんの数メートルまで近づいたと言う時……
「勝手に入り込んでしまい申し訳ございませんでした!」
私は一目散に逃げ出した
王宮の中は、迷路とでも言うように道が多く曲がれば曲がるほど自分は今どこにいるのかどんどんわからなくなっていく。頑張って魔法研究室を目指そうとするも、思う通りの場所にはたどり着かない。本当は意地でも認めたくないのだが、これはれっきとした迷子と言えるだろう。
こんなところで角から出てきた人とドーンなんてことが起こったら今度こそ終わりである。一刻も早くこのフロアから抜け出さねば。次の角を曲がろうとしたその時......
ドーン!!
「いたた…あの、すみません、お怪我はありませ……」
ぶつかった人を確認しようと顔を上げると、綺麗な金髪に透き通った青い瞳。涙目になりながらおでこを抑えているその人物は、先日のお茶会で会ったばかりで、また会いたいと思っていた人物。
「涙ぐんでるルシアン様、レアでかわいい……じゃなくて、ルシアン殿下申し訳ございません。なんでも致しますので、どうかお許しください!」
アメリア・ラスフェーヌ人生最大のピンチである。