#1 鍵師の秘密
初めて小説書いたので酷くても大目にみてください…
連載ものなんでちょこちょこ書いてきます。
主人公の名前は灰です。
『 この扉は絶対に開けるな。』
小さい頃父さんにそう言われたのを覚えてる。
普段は優しい父がこの時だけはとても怖かったからだ。
家の屋根裏にある謎の扉、どこに繋がっているわけでもなくただ扉だけが屋根裏の真ん中にあるのだ。
まだ幼く父のそんな怖い顔を初めて見た俺は父の言いつけをまもりその扉についてはもうしばらく触れなかった。
そして高校2年になった俺はこう思っていた。
あの扉…めっっっっっちゃ気になる!!!
いやだってさ、あの優しい父さんがあんな怖い顔して止めるんだぞ。どんな秘密が隠されてんだよ!
え?なに異世界にでも繋がってるの?はたまた地獄?天国?あの扉はなんのためにあるんだーーー!
もう我慢出来ない開けるね、開けちゃうもんね。
そして数年ぶりにあの扉の前に来た。
「久しぶりだな…なんかいざ開けようとすると緊張するな…。」
屋根裏の扉には何重にも鍵がかかっている。当然鍵も持ってない。普通なら開けたくても開けられない。だがうちの家系は代々鍵師なのだ。俺も将来的には鍵師になる予定なので幼い頃から鍵についての様々な知識をつけてきている。
俺は鍵穴を確認し父さんの仕事場からとってきた道具を使いピッキング作業に入る。
カチャ…ガチャカチャ…
なんだこの鍵…見た目は超シンプルな鍵なのに俺の知ってる鍵の構造じゃない…てかこんなに開かない鍵初めてだぞ…
俺がピッキングを始めてから1時間経っていた。
普段ならはやくて5分、遅くても15分くらいでこんな鍵なら開けられるはずなのに。
「くそっ早くしないと父さんが…。」
「やぁ、父さんが…なんだって?」
!?
突然後ろから聞き馴染みのある声が聞こえた。
マズイ…これはマズイぞ。あまりにピッキングに夢中になっていたせいで背後から父さんが来ていることに気づけなかった…。さて、どう言い逃れるか。
「こんなところで何をやっているんだ?まさか…この扉を開けようしていたんじゃないだろうね。」
ご名答。開けようとしてました。
「やだなぁ、そんなわけないだろう父さん。この扉は開けちゃダメだって昔父さんが言ったんじゃないか。」
「そうだよなぁ、お前は俺の言いつけを守ってくれてたもんな。」
「そうだよ、やだなぁ父さんったら。」
「じゃあ何してたんだ?」
「……………。」
ピロロロロ、ピロロロロ
俺が返答に困っていると俺の携帯に電話がかかってきた。
ナイスタイミング!
「ごめん!秋から電話だ。とにかく俺は扉を開けようとしてた訳じゃないから!」
そして俺は屋根裏から走って逃げ、無事父さんから逃れた。
「秋!ナイスタイミング!」
「はぁ?何言ってんだお前。」
「いいからいいから!んでどしたの?急に。」
「あっそうそう…あのさ…。」
「全く…しょうがない奴だなあいつは。あれだけこの扉は開けるなって言ったのに…まぁでもあいつももう高校2年か。もしもあいつが本気で鍵師になるならそろそろ灰に話さないとな…。」
うちの鍵師の本当の仕事を…