宿編2
風呂は知り合いが誰もいなければキツイと
感じていたが、琴葉がいたから
最悪の事態は免れた。
「おお、咲良じゃん!」
「琴葉!」
お風呂に向かっている最中に後ろから
琴葉が現れた。
「私さ、仲良い奴咲良しかいねぇのよ」
「私も、琴葉がいてよかった」
「楓花には申し訳だけど」
「ヤメロオマエ」
なんて冗談を言い合いながら風呂についた。
お風呂の組は琴葉を除いたら、喋ったこともない人ばっかりだったから、ずっと琴葉とお風呂に入ることにした。
お風呂は大浴場で、シャワーと鏡がある場所が数個あり、おっきいお風呂とサウナが一つあった。
適当に身体を流して琴葉とお風呂に浸かる。
旅行中は気づかなかったが、今日一日歩きっぱなしだった
ので、途中で寝そうになってしまう。
「ちょいさ、サウナいかん?」
「ああ、いいよ」
寝る直前の私に琴葉が声をかけてきたので
一緒にサウナに入ることにした。
サウナの中は二段になっていて、入った瞬間に
熱風が口の中に侵入して少しむせてしまう。
「あのさ、楓花はどんな性格なん?」
サウナの二段目に一緒に座り、私の頬を汗が滴ってきた時に尋ねてきた。
「なんかあんまり楓花のこと知らないんよね、私楓花から嫌われてるし」
「いや嫌われてはいなんじゃない?」
楓花は嫉妬深い性格で、私と琴葉が少し話していただけでも
すぐに機嫌が悪くなってしまう。
しかも私は、友達という友達は琴葉しかいないので、教室で
楓花以外と話すとしたら琴葉だけである。なのでジェラシーの矛先が全部琴葉に向いてしまっている。
「それとさ、明日の班行動、楓花と咲良と一緒じゃん」
「あ、そうだったわ」
明日の班行動は楓花と琴葉と私の三人だ。
「いやーあいつの嫉妬怖ぇのよ」
琴葉の正論にアハハ、としか返せなかった。
すんません。流石にサボります。それ以上でもそれ以下でもないっす。いつか絶対やります。