俯瞰(ふかん)して見てもエロい(宿編1)
私たちが二日間泊まる宿に着いた。
ザ・京都みたいな感じの宿だったので、これまた違う感じで、エッチが捗りそうって思ったことは置いといて。
かなり時間が押してるから、部屋に入って、
学校のジャージに着替えたらすぐ大広間で
夕ご飯を食べなければいけなかった。
「うおぉ、結構いい部屋だよ!」
ルンルンで先に部屋に入っていった楓花が
部屋のドアから顔をひょっこりさせて言ってきた。
部屋割は私と楓花の二人きりだった。
他の部屋は三人とかの部屋もあるらしい。
「うわあ!めっちゃいい部屋じゃん!」
「でしょ?!」
和室で、二人にしてはまあまあ広い部屋だった。
「とりあえずはやく着替えよう」
と言って着替えることにした。
制服を脱ごうとしたら、向こうで
モジモジしてる楓花が目に入る。
楓花とは何回もエッチしてるのに
まだ「同じ部屋で着替える」ことに慣れていないらしい。
そこで私は大人の余裕を見せるために
いきなり制服を脱いでやった。
実際、困ってる楓花の反応も見たいし
こういう時は誰と着替える時も先手必勝だと思う。
私の予想通り楓花は体をビクゥッッ!
とさせて目を逸らしてきた。
「なに、まだ恥ずかしい?」
「いやいや、恥ずかしいでしょ」
私は襲い掛かろうとする獣みたいに
四足歩行でジリジリと距離を詰めていった。
楓花はそれに対して、腰が抜けたのか
仰向けになって腕だけで私から逃げていた。
まだ全裸にもなってないのに楓花の耳は
緋色に変化する。
「ほら逃げないでよ、襲われたいんでしょ」
と言って腕を広げてみた。
そしたら恥ずかしがりながらも下着姿で
座っている私に、顔が向かい合うように座ってきた。
この流れは大体キスする流れである。
私もキスしようと思っているし、楓花も唇を
モゴモゴさせていた。
けど、キスしないのもありだなと思って楓花の首にしっかり痕をつけた。
「ッッ!」悶える楓花。
「はい、今はこれで我慢してください」
「へ?」
「この痕が消えてからキスしにきてください」
待て、をされた楓花の顔は相当可愛くて面白かった。
「ちょっと、キスは?」
「いまは急がなくちゃでしょ?ほら立って」
ショボン顔をしている楓花を無理矢理立たせて着替えさせた。
私は早く着替え終わったので遠目で
楓花の着替えシーンを見ていた。
どうやらすごく不貞腐れてるらしく
楓花は唇を尖らせていた。
その瞬間、私の中のデビルが悪さをして高速で思考した。
今の楓花は「キスは当分あと」と思っているから、部屋を出て行く前にいきなりキスを
したら一本(?)取れるんじゃないか?
私のスケベ脳のお陰で最適解が出た。
よし、これにしよう。
正直こっちも昼間はめちゃくちゃにやられてんすよ。
こんぐらいはやったっていいでしょ。
楓花が着替え終わって、部屋を出ようとした
その時、私は楓花を壁に押しつけて、楓花の両手首を片手に取り、頭の上に固定した。
その間、わずか二秒ほど。
困った顔をしている楓花のあごを取り
私の唇と楓花の唇の座標を合わせて、
満を辞してキスをした。
私の舌と楓花の舌が絡み合い
俯瞰してみても、妖艶なキスだった。まあ言い方を悪くするとエロかった。
「どう?これで満足?」
「は、はい」
一瞬にして頬を赤く染めた楓花はトロトロな顔をして
尋ねてきた。
「じゃあこの首の痕はどうするの?」
「そうだなあ、これが消えたら私に抱かれにきて下さい!」
あの強さで痕をつけたら大体二時くらいには消えている。
楓花が可愛すぎてニヤニヤが止まらないが、そのまま部屋を出た。
♢ ♢ ♢
レベルの高い和食料理を食らった後はお風呂の時間が待っていた。
「てかさ、私と楓花って風呂同じだっけ?」
「いや、さっき表見たら違かった」
大広間から出て部屋に向かう途中に
こんな会話を交わした。
運がいいのか悪いのか、私と楓花は
風呂までは同じ組ではない。
まあ運はいいのだろう。もし同じだったら
なんかの拍子に襲ってしまうかもしれないし。
お風呂までの時間は適当にテレビを見ながら過ごした。
細かく言えば、バラエティを見て爆笑する楓花を見ていた。そのぐらい笑顔が素敵な楓花さんなのだ。
テレビを見始めて四十分くらい経った頃
楓花のお風呂の時間が来た。
さっさと手際良くお風呂の準備をして
「行ってくるねー」
と言ってきた。
「はーい、いってらっしゃい!他の子に襲われちゃダメだよー」
「って大丈夫だから」
と、会話を交わして楓花は部屋から出る。
暇だと思い適当にゴロゴロして数分、
私はあることに気づいて変に緊張してしまった。
私はデカい旅行用のバッグから”それ”を
取り出して、宿の金庫に封じる。
そこからはもう変に緊張してしまったので、
楓花が脱いだ制服の匂いを嗅いで落ち着いた。
そんなこんなでアワワしていたら楓花が
帰ってきた。
「ただいまー、風呂上がったよー」
「は、はーい」
そこにはお風呂で全身が火照った
楓花がいた。
一瞬、お風呂上がりの楓花に驚いてしまう。
いつにも増して色気がある楓花に我慢して
私は風呂へ向かい、部屋を出た。