第二煌 回想・私、魔法少女になっちゃった!
私は数ヶ月前までどこにでもいる普通の小学四年生だったの。
そんな私の夢は、みーんなを笑顔にする事!
アニメの魔法少女みたいになりたいって、ずっとずーっと思っていたの。
ある日、そんな私の前に喋る綺麗な白い鳥が現れたの。
その時の事は、今でもよく覚えてる。
「はじめまして、灯ちゃん。僕の名前はクリスタル。君に会いに来たんだ」
「え……喋った?……喋ったの!」
その頃私は、優斗との事で悩んで落ち込んでいたけど、すっごく興奮したの。
だって喋る鳥なんて初めてだから。
「うん。僕は普通の鳥じゃないから喋れるんだ」
「うわー、すごいすごい!アニメに出てくる精霊さんみたい!」
「まぁ、そんな風に思ってもらっていいよ」
「やっぱりそうなんだ。で、なんで私に会いに来たの?まさか、私を魔法少女にしに?」
私は期待しながらクリスタルに聞いた。
「大正解!君に魔法少女になってぜひこの町を、そして世界を守ってほしいんだ」
「やる!」
私はすぐ答えた。
だって魔法少女だよ。
みんなを守る魔法少女になれるんだよ。
そんなの、なるに決まってんじゃん。
「まぁ、元気があってやる気が満々なのは嬉しいけど……一応敵と戦ってもらうことになるから詳しい話を聞いてほしい」
「うん。聞く聞く!」
私がうなずくと、クリスタルは話し出した。
「いいかい、この世界には悪魔と言われる普通の人には見えない、触れられない生物がいるんだ。
悪魔はね、人々が持つ負の感情……怒りとか悲しいとか、そういった感情を元に生まれるんだ。
そして、人々を事故に合わせたり、酷い災害を起こしたりしているんだ」
「ひどい……」
私はとっても驚いたの。
だってそんな生き物がいたなんて知らなかったから。
「そっか。じゃぁ、そいつをやっつけるのが魔法少女の役目なんだね」
「そうだよ。僕は悪魔を倒すために、魔法の才能がある人間を魔法少女にしているんだ。ちなみに魔法少女はね、人々が持つ正の感情……喜びや恋心と言った感情を集めて変身する事が出来るんだよ」
「そうだよね!魔法少女はみんなの幸せな感情を力にして変身できるんだよね!!」
私は、魔法少女が思っていた通りで、思わず飛び跳ねて喜んじゃった。
「そうだよ。そしてね、君には才能がある。だから、ぜひ君に魔法少女になって欲しいんだ」
「やる!そしてみんなを守る!!」
こうして、私は憧れの魔法少女になっちゃったんだ。
その名も魔法少女マジカル・シャイン!
しかも、魔法少女の衣装ってとっても可愛くて、と~っても素敵なの。
だから私、魔法少女になれてと~っても幸せ!
もちろん、私の力で大切な人だけじゃなくて多くの人を救えるのだから最高!
そしてね、クリスタルは私が持っていた腕時計を魔法少女に変身するための道具にしてくれたの。
しかも、悪魔が発生すると虹色に光る機能付き!
さらにこの光は魔法少女にしか見えないんだって!
でね、変身道具をくれた後、クリスタルはどこかに飛んでいっちゃったの。
新たな魔法少女を探す旅を続けるって言って。
あ、そうそう。
戦い方はね、教わらなくても頭に流れ込んできたので問題なかったんだよ。
でね、悪魔と一緒で、私も魔法少女に変身すると普通の人には見えない、触れられなくなっちゃうんだ。
だから私が悪魔と戦ってるのは、みんなには知られてないの。
でも……えへへ、優斗には喋っちゃおっかな~って思ってるんだ~。
だって、その……りょ、両想いってわかったし。
つまり、私は、その……か、か、彼女なわけだし。
きゃ~!言っちゃった♡言っちゃった♡
優斗と二人で秘密を共有すると、もっとも~っとお互い大好きになれちゃう気がするんだ♡
そして、秘密を共有した私たちはもう離れられないくらい急接近しちゃって……キ、キ、キスとかしちゃったりして……
きゃ~!!!
赤ちゃん出来ちゃう!!!!!
いけない、いけない。
集中、集中。
とにかく、こうして私は魔法少女になって今までも何体もの悪魔を倒している。
私は、ジャンプで屋根に上ると、悪魔がいる方向に走り出した。
魔法少女に変身すると、どちらに悪魔がいるかもわかっちゃうのだ。