表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/17

01.プレリュード

 イシルは人に見えないキラキラが見えた。両親は信じなかった。 

 妹のルルーは、イシルには見えないものが見えた。両親はそれを特別なものと考えた。

 それがこの物語の始まり。

「ねえねぇ、お姉ちゃん、あそこにいるの、何?」

 三歳の妹ルルーにそう聞かれてイシルがその場所を見ても、そこには何もなかった。六歳のイシルにとってはなにか重い雰囲気がするだけだった。


「え、何かいるの? わからないわ」

イシルはルルーにそう答えるしかなかった。


 それからも、ルルーはあちらこちら人や場所を指差して、何度も

「あれは何?」

と姉に聞いた。

 イシルは答えられなかった。ただあまり良くない雰囲気が感じ取れただけだった。


 そんなことが続いて、ルルーは姉のイシルを、何もわからないと馬鹿にするようになった。


 ルルーが見えているものは、両親にも見えなかった。それでも両親は、見えない何かが見えるルルーに

「ルルーにしか見えないものを見ているんだね。えらいね」

といつも言っていた。


 いつしかルルーは、見えないものを見る自分は家族の誰よりも偉いのだと、傲慢になった。

 そんなルルーは、さらに『それ』がはっきりと見えるようになっていった。


 イシルは両親から、姉なのに見えなくて情けないと言われた。


『両親だって見えなかったのに』

イシルはそう思ったが、言えなかった。言えば「姉なのに」とわけがわからないまま責められることがわかっていたから。


 ダメな姉というレッテルを貼られたイシルは、いつのまにか両親から無視されるようになっていった。

 両親の愛は、ルルーにだけ注がれた。


 訪問してお読みくださってありがとうございます。

 ブックマーク登録、評価をしてくださって、嬉しいです。書き続ける励みになります。


 登場人物紹介を、

https://ncode.syosetu.com/n3875gw/

においてあります。

 名前で混乱してしまった人は、コピペして飛ぶか、作者ページより「お話の人物紹介&設定集」の「「ダメ姉聖女」登場人物紹介」をご覧ください。


 本編完結後は、そのネタバレなしをこの小説の続きに移し、別小説の方はネタバレありの「「ダメ姉聖女」登場人物紹介&設定」と入れ替えます。


 本日もう一話投稿します。その後毎日一話ずつ11:00に投稿予定です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ